• 12月 13, 2019
  • 1月 10, 2025

生活習慣病はある程度は両親からの遺伝かも

年の瀬の慌ただしい中、ブログを読んでくださりありがとうございます。

年末は忘年会が続き、外食により食生活が乱れてしまうことが多いかと思います。

学生時代の体重と比べると、現在の体重は10㎏以上増えているといった人も多いかと思います。

当院では、健診の受診ハードルを下げるべく、会社健診や特定健診にも力を入れています。

そこで、健診受診者の血液検査データを、悪玉コレステロール(LDL-Cho)、中性脂肪(TG)、尿酸(UA)、糖尿病の指数(HbA1c)といった動脈硬化リスク因子に絞って経時的に見ていきました。

すると、学生時代より体重が10㎏増加しBMIが25を超えて肥満化している人の中で、これら因子が悪化している人とそうでない人とがはっきりと分かれることが分かりました。

年齢とともに代謝が落ちるからか、高齢になると、体重増加が因子の悪化につながりやすいことが分かりました。

さらに、両親が脂質異常症、高尿酸血症、糖尿病のいずれかを罹患している人では、若年者であっても体重増加が因子の悪化につながりやすいことが分かりました。

しかし、両親がこうした生活習慣病を罹患していない人では、体重が増加しても因子の悪化がほとんど見られませんでした。

このことから、生活習慣病を発症するかしないかは、食生活の乱れや運動不足だけではなく、多くは両親の遺伝的ポテンシャルに依存している可能性があると思われました。

つまり、両親が生活習慣病を罹患している人は、そうでない人よりも、食生活や運動を人一倍気を付ける必要があると思いました。

両親が生活習慣病を罹患している人が、同じように因子の悪化傾向を示していれば、早めに食生活や運動の改善を促し、先手を打てるように心掛けて診療していきたいと思っています。

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