- 3月 17, 2025
- 4月 4, 2025
肝臓機能障害 初期症状
肝臓の働きとその重要性

肝臓は、体内の代謝・解毒・栄養の貯蔵など、多くの重要な機能を担う臓器です。食事から摂取した栄養素を分解・合成し、エネルギーとして活用したり、アルコールや薬剤などの有害物質を解毒したりする働きを持っています。しかし、肝臓は「沈黙の臓器」とも呼ばれ、病気が進行するまで症状が出にくいことが特徴です。
初期症状を見逃すリスク
肝臓機能障害の初期症状は、疲れやすさや食欲不振など、日常生活でもよくある症状として現れることが多いため、見過ごされがちです。しかし、放置すると肝硬変や肝臓がんなどの深刻な病気へと進行する可能性があります。特に、慢性的な肝機能障害は自覚症状がないまま進行し、気づいた時には治療が難しくなっていることもあります。
女性特有の症状について
女性の場合、ホルモンの影響によって肝臓の代謝機能が変動しやすく、特に妊娠中や更年期には肝機能障害のリスクが高まることがあります。また、皮膚のかゆみやむくみ、月経不順といった症状が現れることもあります。
主な初期症状のチェックリスト
✅ 倦怠感と疲労感の違い
肝臓機能障害による倦怠感は、睡眠をとっても回復しないほどの強い疲労感を伴うことが特徴です。慢性的なだるさや集中力の低下を感じた場合は、肝臓の状態をチェックすることが重要です。
✅ 食欲不振と体重減少
肝機能が低下すると、消化吸収の能力が落ちるため、食欲が低下し、急激な体重減少が起こることがあります。これが長期間続く場合、肝臓の異常が疑われます。
✅ 黄疸の見分け方と意味
黄疸は、肝臓の解毒機能が低下し、血中のビリルビンという色素が増加することで皮膚や白目が黄色くなる症状です。特に、尿の色が濃くなったり、肌が黄色みを帯びたりした場合は、早めの受診が必要です。
肝臓機能障害の原因
アルコールの影響と非アルコール性脂肪肝

過度のアルコール摂取は、肝臓に負担をかけ、アルコール性肝炎や脂肪肝を引き起こす原因となります。一方で、飲酒しない人でも脂肪肝(非アルコール性脂肪性肝疾患:NAFLD)になる可能性があり、肥満や糖尿病との関連が指摘されています。
自己免疫性肝炎とは?
自己免疫性肝炎は、免疫システムが誤って肝細胞を攻撃することで慢性的な炎症を引き起こす病気です。放置すると肝硬変へ進行することがあるため、早期発見と治療が重要です。
薬剤による肝障害のメカニズム
一部の薬剤は肝臓で代謝される際に負担をかけ、肝障害を引き起こすことがあります。特に長期間の服用や自己判断での薬の使用は、肝臓に悪影響を及ぼす可能性があります。
肝機能の検査と数値の理解
ALT、AST、γ-GTPなどの意味

- ALT(アラニンアミノトランスフェラーゼ):肝臓の損傷を示す酵素。
- AST(アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ):肝臓だけでなく心臓や筋肉の損傷でも上昇。
- γ-GTP(ガンマグルタミルトランスペプチダーゼ):アルコールや薬剤の影響を受けやすい。
血液検査の重要性
定期的な血液検査によって、肝機能の異常を早期に発見することができます。異常値が見られた場合は、追加検査を受けることが推奨されます。
定期検診でのチェックポイント
定期的な健康診断で肝機能をチェックし、異常があれば専門医に相談することが大切です。
肝臓機能障害の進行と影響

肝硬変のリスク
肝機能障害が進行すると、肝臓が線維化し、正常な機能を失う肝硬変へと進行する可能性があります。
肝臓がんとの関連性
慢性的な肝炎や肝硬変があると、肝臓がんのリスクが高まります。特にB型・C型肝炎ウイルスの感染がある場合は注意が必要です。
放置することの危険性
肝機能障害を放置すると、最終的には肝不全に至ることもあります。定期的な検査と生活習慣の改善が肝臓を守る鍵となります。
肝臓機能障害の治療法
生活習慣の改善とその効果
バランスの取れた食事や適度な運動が肝機能の改善に役立ちます。特に糖質・脂質の過剰摂取を避けることが重要です。
栄養バランスを考えた食事
肝臓に優しい食事として、野菜やタンパク質を多く含む食事を心がけることが推奨されます。
投薬治療のオプション
肝炎ウイルスの治療薬や、肝機能をサポートする薬が用いられることがあります。
肝臓機能を守るためにできること
定期的な検査の重要性

健康診断で肝機能をチェックし、異常が見られた場合は早めに対応することが大切です。
ストレス管理とその方法

ストレスは肝機能に悪影響を与えるため、リラクゼーションや適度な運動を取り入れることが推奨されます。
運動習慣の見直し

適度な運動は肝機能の改善に寄与しますが、過度な運動は逆効果となるため注意が必要です。
肝臓の健康を守るために、日常生活の中でできることを実践し、定期的な検査を受けるよう心掛けましょう。
当院では2024年から、幹細胞を用いた肝臓の再生医療も行っております。 ホームページもございますので、ぜひご覧ください。 さいとう内科クリニック 肝臓再生医療サイト |