- 7月 24, 2025
- 7月 25, 2025
【お知らせ】過敏性腸症候群のお薬「ポリフル」の製造一時中止について

いつもお腹の調子に悩まされている方にとって、日々の生活は本当に大変なことと思います。電車に乗るのが不安、仕事や勉強に集中できない、急な下痢や便秘で外出が億劫になる…そんな経験、ありませんか?
過敏性腸症候群(IBS)は多くの方が抱える身近な悩みですが、その症状は人それぞれです。そして、IBSの治療薬として多くの方に処方されてきた「ポリフル」が、製造過程の不具合により製造一時中止となってしまいました。
「今まで効いていた薬がなくなるなんて…」
「これからどうすればいいの?」
そう不安に思っている方も少なくないはずです。当院にも多くの患者さんから心配の声が寄せられています。
「ポリフル」製造一時中止と現在の治療薬について

現在、過敏性腸症候群の治療薬として多く用いられてきた「ポリフル」が製造一時中止となっております。この状況を受け、患者様にご心配をおかけしていることと存じます。
ポリフルは便秘と下痢を繰り返す「混合型」のIBSに特に効果を発揮するお薬でしたが、今回の製造一時中止は短期的なものである可能性もございます。つきましては、恐縮ではございますが、ポリフルの出荷が再開されるまでの間は、トリメブチンや他の過敏性腸症候群治療薬で症状をコントロールしていただくことになります。
当院では、患者様一人ひとりの症状に合わせ、最適な治療薬を丁寧に選択してまいりますのでご安心ください。
なぜポリフルが製造一時中止になったの?
実は、ポリフルと同じ成分を持つ「コロネル」というお薬も、2024年1月に製造中止になっています。
ポリフルもコロネルも、薬価が非常に安価なため、製造が難しくなっていた背景があります。ポリフルは、北陸にあるたった一つの工場で製造されていましたが、残念ながら製造過程の不具合により、先月6月から製造が止まってしまいました。
現在、ポリフルの代わりとなる保険適用のお薬は、日本国内には存在しません。このままでは、日本中のポリフルを服用している多くの患者さんが、薬を手に入れられなくなり、つらい症状に逆戻りしてしまう可能性があります。
今後のポリフル製造再開の見込みについて
ポリフルを製造している福井県の工場からは、7月末までに監査結果の発表が予定されています。この監査結果によって、ポリフルがすぐに出荷を再開できるのか、あるいはしばらく製造一時中止が続くのかが決定する見込みです。
詳細が分かり次第、改めて当院のホームページやブログにてお知らせいたします。
なぜ過敏性腸症候群は起こるの?あなたの「真面目さ」が原因かもしれません

当院の院長は、消化器病専門医として、これまで数多くの過敏性腸症候群の患者さんを診てきました。
現代社会はストレスの塊です。特に、学生さんや社会人の方を中心に、過敏性腸症候群の患者さんが増え続けているのを感じています。
実は、この病気になりやすい方にはある共通の傾向があります。それは…
- 自分に厳しく、自分のことを後回しにしてでも物事を成し遂げようと頑張る真面目な性格の方
- 表立って意見を言わない控えめな性格の方
に多い傾向があるのです。まるで「日本の美学」とも言えるような、責任感が強く、周りに気を遣う優しい方が、この病気に悩まされやすいのです。
年齢層も幅広く、若い方からご高齢の方まで、多くの方がこの症状を抱えています。
こんな症状に心当たりはありませんか?
過敏性腸症候群の症状は多岐にわたります。
- お腹が張る
- お腹が痛い
- 吐き気がする
- 便秘や下痢を繰り返す、またはどちらかに偏る
これらの症状は、食事の後に現れることが多いですが、緊張状態からリラックスしたとき(お風呂上がりや寝る前など)、あるいはその逆で、リラックスした状態から緊張状態になるとき(起床時など)に現れることもよくあります。
日常生活に支障が出ていませんか?
「頑張りたいのに勉強や仕事に集中できない」「学校に行けない、会社を休みがちになる」「しっかり眠れないから集中力が落ちる」「気分が不安定になる」…
こういった症状が原因で、あなたの日常生活に大きな支障が出ているとしたら、それはとてもつらいことだと思います。
「単なる便秘や下痢だろう」と市販薬でごまかしたり、「病院に行っても、その場しのぎの薬しかもらえない」と諦めていたりしませんか?
多くの患者さんが「どうせ治らない」と半ば諦めてしまっている現状を、私たちは知っています。
過敏性腸症候群の治療薬について
専門的なお話になりますが、過敏性腸症候群の治療薬にはいくつか種類があります。
- トリメブチン、イリボー: 下痢の症状が多い方に処方され、便を固める方向に作用し、普通便に近づけます。
- リンゼス: 便秘の症状が多い方に処方され、便を柔らかくする方向に作用し、普通便に近づけます。
- ポリフル(再開を待つ間に): 便秘と下痢を繰り返す、いわゆる「混合型」の症状の方に特に効果を発揮します。便秘と下痢の「真ん中」に落ち着かせる、とても不思議で神秘的な作用を持つお薬です。
さいとう内科クリニックは、日本中の患者さんを救いたい!

当院では、コロネルが製造中止になったときから、「もしかしたらポリフルも…」という危機感を抱き、ポリフルがなくならないように、ずっと情報収集と手配を進めてきました。
遠方にお住まいの患者さんにはご不便をおかけしますが、まずはネットやお電話でご予約いただき、一度ご来院ください。当院の消化器病専門医が、腹部超音波検査なども含め、改めて丁寧に診断し、あなたに最適な治療をご提案させていただきます。
お腹の症状がつらくて困っているのに、その気持ちを押し殺して我慢し続けないでください。我慢し続けることは、いずれ日常生活に支障をきたし、心の健康まで蝕んでしまう可能性があります。
私たちは、スタッフ一同、一人でも多くの過敏性腸症候群の患者さんに、安心して充実した日常生活を送っていただけるよう、全力を尽くします。
ポリフルが手に入らなくなり、お腹の症状が悪化してしまうのではないかと不安な方、そしてこれまで過敏性腸症候群で悩んできたけれど、なかなか症状が改善しなかった方も、どうぞご安心ください。
現在ポリフルの代替薬提供は困難な状況ですが、当院が、あなたのつらいお腹の症状改善のために、現時点で最善の治療法を全力でサポートさせていただきます。
一人で抱え込まず、ぜひ一度ご相談ください。私たちは、いつでもあなたの味方です。