- 11月 1, 2025
2025年のインフルエンザ、早くも流行?医師が教える今すぐやるべき予防と対策

「まだ10月なのに、もうインフルエンザの話?」
そう思われる方も多いかもしれません。しかし、2025年のインフルエンザシーズンは、異例の早さで幕を開けました。
厚生労働省の発表によると、今年(2025年)は9月の第39週(9月22日~9月28日)の時点で、全国のインフルエンザ患者報告数が流行開始の目安となる「1.0」を上回りました。これは例年より1ヶ月以上も早い、異例の事態です。
この流行は特定の地域に限った話ではありません。私たちが住む兵庫県・神戸市西区周辺でも、すでに小中学校で学級閉鎖が報告されており、インフルエンザは決して他人事ではない、身近な脅威となっています。
今回は、なぜ今年の流行はこれほど早いのか、そして私たちが今すぐやるべき予防と対策について、詳しく解説します。
なぜ今年はこんなに早い?専門家が指摘する3つの理由

読者の皆様が最も疑問に思うのは、「なぜ?」という点でしょう。専門家は主に3つの理由を指摘しています。
① 記録的な猛暑の“落とし穴”
今年の夏は記録的な猛暑が続きました。その結果、冷房が効いた室内で過ごす時間が長くなった方が多いのではないでしょうか。実はこの環境が、ウイルスが好む「低温・乾燥・換気の悪い」状態を作り出してしまい、感染が広がりやすい下地を作ったと考えられています。
② 人流の回復と海外からの影響
新型コロナウイルス感染症の5類移行に伴い、国内外の人の往来が活発になりました。特に、現在冬を迎えている南半球など海外からの旅行者が増えたことで、日本にウイルスが持ち込まれやすくなっていることも一因とされています。
③ コロナ禍が残した「免疫ギャップ」
ここ数年間、私たちはマスク着用や手指消毒といった感染対策を徹底してきました。その結果、インフルエンザの大規模な流行が抑制されてきましたが、一方で社会全体のインフルエンザに対する免疫力が低下している可能性が指摘されています。これを「免疫ギャップ」と呼び、感染が広がりやすい要因の一つと考えられています。
それって風邪?インフルエンザ?見分け方のポイント
「この症状、ただの風邪かな?」と迷うことも多いでしょう。患者様から最もよくいただく質問の一つです。一般的な風邪とインフルエンザの症状の違いを知っておきましょう。
- 風邪:のどの痛み、鼻水、くしゃみ、咳などの症状が中心で、発熱しても比較的穏やかなことが多いです。
- インフルエンザ:突然の38℃以上の高熱、強い悪寒、頭痛、関節痛・筋肉痛といった全身症状が急激に現れるのが特徴です。
特に今シーズン流行している「A型(H3N2)」は、高熱や体の痛みといった典型的な症状が出やすいと言われています。
今からでも間に合う!感染を防ぐための基本対策

流行が早いからと諦める必要はありません。今からでもできる対策はたくさんあります。
① 最も有効な予防策「ワクチン接種」

インフルエンザ予防の基本であり、最も有効なのがワクチン接種です。
- 1日でも早い接種を:今年の流行の早さを考えると、1日も早く接種することが推奨されます。ワクチンを接種してから抗体ができるまでには約2週間かかります。本格的な流行のピーク(例年12月~2月)に備えるためにも、今からの接種が非常に重要です。
- 今年のワクチンは有効です:今シーズン供給されているワクチンは、現在流行しているウイルスの株に対応していることが確認されており、高い発症予防効果、そして重症化を防ぐ効果が期待できます。
② 日常生活でできる感染対策

ワクチン接種と合わせて、日々の生活の中で基本的な感染対策を徹底しましょう。
- 正しい手洗い:石鹸を使って、指先や指の間、手首まで丁寧に洗うことを習慣にしましょう。
- 適切な湿度管理:空気が乾燥すると、のどや鼻の粘膜の防御機能が低下します。加湿器などを利用して、室内の湿度を50~60%に保つことを心がけてください。
- 咳エチケットとマスク着用:咳やくしゃみが出る際は、マスクやティッシュ、ハンカチ、袖などで口や鼻をおおいましょう。人混みや医療機関などではマスクを着用することも有効です。
- 免疫力を高める:ウイルスに負けない体づくりの基本は、十分な睡眠とバランスの取れた食事です。日頃から体調管理を意識しましょう。
「インフルエンザかも?」と思ったら…慌てないための対処法

もし、インフルエンザを疑う症状が出た場合は、慌てず適切に対処することが大切です。
① まずは安静と水分補給を
無理して学校や職場には行かず、自宅でゆっくりと休養してください。高熱で汗をかくため、こまめな水分補給も忘れないようにしましょう。
② 医療機関を受診するタイミング
インフルエンザの検査や治療薬には、適切なタイミングがあります。
- 検査のタイミング:インフルエンザの迅速検査は、ウイルスの量が十分に増えてからでないと正確な結果が出にくいことがあります。発熱してから12時間以上が経過してからの受診が望ましいです。
- 治療薬のタイミング:一方で、抗インフルエンザ薬(ゾフルーザ、タミフルなど)は、発症後48時間以内に服用を開始すると最も効果的とされています。
この2つの時間を意識して、適切なタイミングで医療機関を受診しましょう。
③ 特に注意が必要な方
次のような方はインフルエンザが重症化するリスクが高いと言われています。症状が出た場合は、早めにかかりつけ医に相談してください。
- ご高齢の方
- 小さなお子様
- 妊婦さん
- 持病(喘息、心臓病、糖尿病など)をお持ちの方
対策も早めが肝心です

「流行が早い今年は、対策も早めに」。これが今シーズンのインフルエンザと向き合う上での重要なキーワードです。
例年通りの感覚でいると、気づいた時には感染が大きく広がってしまっているかもしれません。ワクチン接種を早めに済ませ、日々の感染対策を改めて徹底することが、ご自身と大切なご家族を守ることに繋がります。
さいとう内科クリニックでは、例年より前倒して、9月半ばよりインフルエンザの予防接種を開始しております。また、インフルエンザ感染が疑われる患者様に対して、迅速抗原検査を躊躇なく行い、陽性であれば、ゾフルーザを始めとした治療を行っております。気になる症状がある場合や、予防接種についてご不明な点があれば、決してためらわずにご相談ください。地域の皆様の健康を守るパートナーとして、全力でサポートさせていただきます。
- 院長
- 斉藤 雅也
- 診療内容
- 内科・消化器科
- 住所
- 〒651-2412
兵庫県神戸市西区竜が岡1-15-3(駐車場18台あり)
(旧:森岡内科医院) - 電話
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