- 11月 12, 2025
【サイレントキラーの脅威】高血圧を放置すると、あなたの体で何が起こるのか?

健康診断で「血圧が高めですね」と指摘されたとき、「特に症状もないし、まだ大丈夫だろう」と、ついそのままにしてしまっていませんか?
しかし、その油断こそが、高血圧の最大の危険性です。高血圧は、目立った自覚症状がないまま静かに進行し、心臓や脳、腎臓といった重要な臓器に深刻なダメージを与えることから、「サイレントキラー(静かなる暗殺者)」と呼ばれています。
今回は、高血圧を放置した場合に起こる「本当に怖い未来」と、手遅れになる前に今日からできる対策についてお伝えいたします。
1.放置によって確実に進行する「動脈硬化」のメカニズム

血圧とは、心臓から送り出された血液が血管の壁を押す圧力のことです。高血圧とは、この圧力が慢性的に高い状態を指します。
血圧が高い状態が長く続くと、血管は常に内側から強い圧力を受け続けることになります。その結果、血管の壁は次第に厚く、硬く、もろくなっていきます。これが動脈硬化です。
動脈硬化が進行しても、初期段階ではほとんど痛みや症状を感じませんが、血管の内側が狭くなったり、血栓(血の塊)が詰まりやすくなったりすることで、ある日突然、命に関わる重大な病気を引き起こすことになります。
特に危険な「下の血圧」の上昇

心臓が休んでいる瞬間の圧力を示す下の血圧(拡張期血圧)が高い状態は、血管が休む暇なく常に強い圧力がかかっている危険なサインです。下の血圧が10mmHg上昇するごとに、脳卒中のリスクは約1.8倍、心筋梗塞のリスクは約1.5倍に増加するという報告もあります。
2.高血圧が引き起こす「5つの深刻な合併症」
高血圧と動脈硬化は悪循環しながら症状が同時進行し、特に脳、心臓、腎臓といった重要臓器に深刻なダメージを与えます。
- 脳出血:もろくなった脳の血管が破れて出血し、激しい頭痛や意識障害、手足の麻痺などが起こり、後遺症が残ることもあります。
- 脳梗塞:脳の血管が詰まり、脳細胞が壊死します。ろれつが回らない、体の片側が動かないといった症状が現れ、深刻な後遺症の原因となります。
- 心筋梗塞・狭心症:心臓に栄養を送る血管(冠状動脈)が狭くなったり(狭心症)詰まったり(心筋梗塞)します。突然の激しい胸の痛みが特徴で、命を落とす危険性が高い病気です。
- 心不全:心臓のポンプ機能が低下し、全身に十分な血液を送れなくなった状態です。息切れやむくみが起こり、生活の質が徐々に低下します。
- 慢性腎臓病:腎臓の血管に負担がかかり続け、機能が低下します。進行すると体内の老廃物が腎臓を通して排出できなくなり、生涯にわたって人工透析が必要になることもあります。
重篤な頭痛のサイン:「高血圧性脳症」

高血圧が原因で起こる頭痛は「高血圧性頭痛」として分類されます。その中でも特に重篤なのが「高血圧性脳症による頭痛」です。これは血圧が持続的に180/120mmHg以上になることによって、非常に強い頭痛に加え、錯乱状態、視野異常、ひどい時にはけいれんを起こす怖い状態です。
この状態は血圧を下げれば回復しますが、放置すると前述の脳梗塞や脳出血を起こすリスクが非常に高くなります。
3. 高血圧は「複合病」- 他の病気との負の連鎖に注意

高血圧は単独の病気ではなく、他の生活習慣病と根っこで繋がっており(メタボリックシンドローム)、互いに影響し合いながら悪化を加速させます。
- 脂質異常症(高コレステロール・中性脂肪):脂質異常症があると高血圧も進みやすくなり、動脈硬化がさらに進行します。
- 糖尿病:高血圧と高血糖が揃うと、血管へのダメージが加速し、腎臓や目、神経への合併症リスクを高めます。
- 高尿酸血症・痛風:尿酸値が高い状態を放置すると、糖尿病や脂質異常症を合併しやすく、動脈硬化が進行し、心筋梗塞や脳梗塞のリスクが高まります。実際に、高血圧や肝機能障害から痛風発作へという負の連鎖を経験する事例もあります。
4. 健やかな未来のために:今日から始める対策と「かかりつけ医」の重要性

高血圧の治療は、降圧薬が必要な方も、そうでない方も、まずは生活習慣の改善が基本です。
| 対策 | 具体的な行動と目標 | 関連する危険因子 |
| 減塩 | 1日6g未満を目標に。麺類の汁は残す、出汁や薬味で工夫する。 | 塩分の摂りすぎ |
| 運動 | ウォーキングなど軽く汗ばむ程度の有酸素運動を1日30分、週3日程度。 | 運動不足 |
| 体重管理 | BMI 25未満を目標に。肥満気味の方は減量するだけでも血圧改善が期待できる。 | 肥満 |
| 禁煙・節酒 | 喫煙は血管を収縮させ、動脈硬化を促進するため、直ちに禁煙を実行。飲酒は適量を守る。 | 喫煙、過度な飲酒 |
| 血圧測定 | 忙しくても朝一番の血圧測定を習慣化し、月の平均値も記録する。就寝中の血圧を反映し、脳卒中のリスクを予測できるためです。 | 血圧の変動(早朝高血圧) |
| 寒さ対策 | 気温が下がると血管が収縮し血圧が乱高下しやすい。特に晩秋・初冬は注意が必要です。 | 外気温の変化 |
5. 症状のない今こそ、医師と「伴走」を

高血圧は、症状がないからこそ、自己判断で通院や服薬をやめてしまう方がおられますが、これは動脈硬化の進行を許してしまう行為であり、大変危険です。
生活習慣病は自覚症状がないまま静かに進行するため、自己流の健康管理だけに頼ることには限界があります。
かかりつけ医は、血液検査や頸動脈エコーなどの客観的なデータを用いて、体内で進行している動脈硬化の「静かな進行」を監視し、手遅れになる前に介入することができます。また、高血圧の治療目標は年齢や合併症の有無によって異なります。医師と相談し、あなたに合った最適な治療計画を立て、降圧薬が必要な方は決して自己判断で内服をやめず、継続することが非常に大切です。
未来の健康を守るため、一人で悩まず、まずはご自身の体の状態を正確に知ることから始めましょう。
- 院長
- 斉藤 雅也
- 診療内容
- 内科・消化器科
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