- 11月 12, 2025
【健康診断で見逃し厳禁】その「悪玉コレステロール高値」、放置していませんか?
症状がないのに危険な脂質異常症の真実と予防策

毎年受ける健康診断で、「脂質異常症の疑いがあります」「悪玉コレステロール(LDL)が高いですね」と指摘され、不安に感じている方はいませんか?
特に体調に変化がないと、「まだ大丈夫だろう」と放置してしまいがちですが、その油断が将来、命に関わる病気を引き起こす可能性があります。
今回は、脂質異常症がなぜ「サイレントキラー」と呼ばれるのか、その原因と、薬を飲み始める前に試したい具体的な生活習慣の改善策について、お伝えいたします。
1.脂質異常症の正体と、静かに進む動脈硬化

症状がない「サイレントキラー」の危険性
脂質異常症とは、血液中の脂質(コレステロールや中性脂肪)の量が基準値から外れた状態を指します。高血圧と同様に、脂質異常症はほとんど自覚症状がないため、「サイレントキラー(静かなる暗殺者)」とも呼ばれています。
この病気の最も怖い点は、自覚症状がないまま、体の中で静かに血管の老化(動脈硬化)を進行させてしまうことです。増えすぎた悪玉コレステロールが血管の壁に溜まり、不安定な塊(プラーク)を作り、これが破れて血栓(血の塊)ができると、血管が詰まります。これが心臓で起これば心筋梗塞、脳で起これば脳梗塞となり、命に関わるリスクが高まります。
血液中の3つの脂質をチェック

健康診断では、主に以下の3つの項目をチェックします。いずれか1つでも基準値を外れると「脂質異常症」と診断されます。
| 項目 | 役割 | 基準値(空腹時) |
| LDL(悪玉)コレステロール | 肝臓から全身にコレステロールを運ぶ。増えすぎると血管に溜まる。 | 140 mg/dL未満(高すぎるとNG) |
| HDL(善玉)コレステロール | 全身の余分なコレステロールを回収し、肝臓に戻す「血管のお掃除役」。 | 40 mg/dL以上(低すぎるとNG) |
| 中性脂肪(TG) | エネルギー源として蓄えられる。余ると皮下脂肪や内臓脂肪となる。 | 150 mg/dL未満(高すぎるとNG) |
2. 数値悪化の意外な原因:悪玉コレステロールが増える落とし穴

脂質異常症の原因は、脂っこい食事の「食べ過ぎ」だけではありません。
① 糖質の摂りすぎと中性脂肪の連鎖
中性脂肪(TG)が高いタイプの原因として特に注意が必要なのが、糖質の摂りすぎです。ご飯、パン、麺類、お菓子、果物、そして清涼飲料水やジュースといった糖質、特に果糖ブドウ糖液糖(HFCS)は、余った分が肝臓で中性脂肪に作り替えられてしまいます。
中性脂肪が増えすぎると、悪玉(LDL)コレステロールを増やし、善玉(HDL)コレステロールを減らしてしまうという性質があります。
② 危険な「飲み物」に潜む落とし穴
日常的に摂取する飲み物にも、LDLコレステロールを悪化させる要因が潜んでいます。
- 加糖清涼飲料やクリーム系ドリンク:糖質と飽和脂肪酸が多く、中性脂肪の増加を通じてLDLコレステロール悪化につながる可能性があります。
- 缶コーヒー(ミルク風):植物油脂が含まれ、原材料によってはトランス脂肪酸を含む場合があり、LDLコレステロールに悪影響を与える可能性があると報告されています。
- アルコール:アルコールも中性脂肪を増やす大きな原因です。多量の飲酒やカクテル類は、脂質代謝のバランスを崩す可能性があります。
③ 肥満、運動不足、そして遺伝
運動不足は、エネルギー消費が少ないために中性脂肪が使われずに溜まる原因となります。また、内臓脂肪が過剰に蓄積していると、腹囲やBMI、中性脂肪、肝機能の数値が悪化する危険信号となります。
さらに、生活習慣病の発症には、食生活の乱れだけでなく、両親の遺伝的ポテンシャルに依存している可能性もあります。ご両親が脂質異常症や糖尿病を患っている方は、人一倍、食生活や運動に気を付ける必要があります。
2.薬を飲む前に!血管を若返らせる5つの生活改善策
脂質異常症の治療は、まず生活習慣の改善から始めることが基本です。
1.食材選び:青魚と食物繊維を意識する

お魚(EPA・DHA):サバ、イワシ、サンマなどの青魚に多く含まれるEPAやDHAは、中性脂肪を減らし、血液をサラサラにする効果があります。まずは週に3回、食卓に取り入れましょう。
食物繊維を摂取:野菜、きのこ、海藻に豊富な水溶性食物繊維は、コレステロールの吸収を抑え、体外への排出を助けます。食事の最初に野菜から食べる「ベジタブルファースト」も効果的です。
2.油の「質」と量をコントロールする

飽和脂肪酸を控える:バター、生クリーム、脂身の多い肉類などの飽和脂肪酸は、LDL(悪玉)コレステロールを上げやすいため控えめにしましょう。
不飽和脂肪酸を選ぶ:調理に使う油は、オリーブオイルやキャノーラ油などの不飽和脂肪酸を多く含むものに変えてみましょう。
3.糖質とアルコールとの付き合い方を見直す

お菓子や果物、ジュースといった糖質は中性脂肪を増やす大きな原因です。量と頻度を決めて楽しむこと(だらだら食べをやめる)が大切です。アルコールも中性脂肪を増やす原因となるため、休肝日を設けるなどメリハリをつけましょう。男性であれば1日あたり純アルコール25g、女性であれば20gまでが適量とされています。
4.運動習慣をプラスする

運動は中性脂肪を減らし、善玉(HDL)コレステロールを増やす効果が期待できます。まずは、少し息が弾む程度のウォーキングを1日30分、週3回のペースで続けることから始めましょう。
5.「炭水化物抜き」は危険

極端な炭水化物制限ダイエットは、体を動かすエネルギー源が不足し、タンパク質が分解されて筋肉が減り、ケトン体が発生して倦怠感が出たり、肝障害が生じたりする危険性があります。炭水化物を適度に減らすのは良いですが、全く食べないのは避けるべきです。当院では、炭水化物を完全に制限したダイエットをされていた方で、重篤な肝障害が生じて命に関わる状態にまで進展してしまったケースを経験しました。その後、少なからず炭水化物を摂取することで事なきを得ました。
4. 健康診断の結果を「次の行動」に繋げるために
健康診断で異常な数値を指摘されたら、それはあなたの体がくれた「生活を見直すサイン」です。
検査結果の自己判断は危険

脂質異常症は高血圧や糖尿病と深く関連している生活習慣病の総称です。生活習慣病の管理において、インターネットなどで調べた自己流の健康管理だけに頼ることは、大きな落とし穴が潜んでいます。
異常値を指摘されたら、放置せずに専門医に相談することが大切です。
特に肝機能の数値(AST, ALT, γ-GTP)が高い場合や、中性脂肪が高い場合は、「脂肪肝」が隠れている可能性が非常に高いです。このような場合、肝臓や消化器の専門的な診察が不可欠です。
当院の院長は「日本消化器病学会専門医」および「日本肝臓学会専門医」の資格を有しており、脂質異常症と密接に関連する肝機能障害や脂肪肝の診断・治療を専門としています。
腹部エコー検査の重要性

血液検査だけでなく、腹部エコー(超音波)検査は、内臓の状態を詳細に評価できる非侵襲的な検査法です。これにより、脂肪肝の程度(軽度、中等度、高度)や、肝臓の硬さ(線維化)の兆候を安全に把握することができます。
当院の院長は「日本超音波医学会専門医」でもあり、精度の高いエコー検査による的確な診断が可能です。脂肪肝と診断された場合でも、多くは生活習慣の見直しで改善が期待できます。
専門医による一貫したサポート

当院では、患者様お一人おひとりの生活習慣を丁寧にお伺いします。そして、日本肝臓学会専門医としての血液検査の深い分析と、日本超音波医学会専門医としての精緻なエコー検査に基づき、総合的に患者様の状態を診断します。(院長は日本消化器内視鏡学会専門医も取得しており、消化器全般の幅広い知見を持っております。)無理なく続けられる改善プランを専門医と一緒に考え、健康な未来への一歩を踏み出しましょう。
- 院長
- 斉藤 雅也
- 診療内容
- 内科・消化器科
- 住所
- 〒651-2412
兵庫県神戸市西区竜が岡1-15-3(駐車場18台あり)
(旧:森岡内科医院) - 電話
- 078-967-0019
- 携帯
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