• 11月 19, 2025

【50代から急増】その激痛、帯状疱疹かも?知っておきたい「ワクチン定期接種化」と2種類の選択肢

こんにちは。神戸市西区のさいとう内科クリニック院長の斉藤雅也です。

季節の変わり目や、残暑による疲れ、多忙によるストレスが溜まる時期は、体調を崩しやすいものです。特に警戒が必要な病気の一つに「帯状疱疹(たいじょうほうしん)」があります。

「80歳までに3人に1人が発症する」と言われるこの病気は、激しい痛みや、長く続く神経痛など、生活の質を大きく低下させる恐れがあります。

本日は、帯状疱疹の恐ろしさから、2025年4月から始まったワクチンの定期接種化について、お伝えいたします。


帯状疱疹とは?免疫力低下で目覚める「水痘ウイルス」の脅威

帯状疱疹は、子供の頃に感染した水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)が原因で引き起こされます。水ぼうそうが治った後もVZVは神経節に潜伏し続け、加齢や疲労、ストレスなどによって体の免疫力(抵抗力)が低下した際に再活性化して発症します。

1.誰でもかかるリスクがあります

日本の成人の約9割はVZVに感染しています。

  • 発症のピーク: 患者数は50代から急激に増え始め、80歳までに約3人に1人が発症すると言われています。
  • 若年層のリスク: ストレスとの関係から、日本では20代に小さな発症のピークがあることも指摘されています。
  • 性差: 発症数は女性の割合が高いというデータもあります。
  • 持病を持つ方は特に注意: 免疫が低下しやすい持病(悪性リンパ腫:約8.4倍、糖尿病:約2.4倍、腎不全:約2.2倍、高血圧:約1.9倍、関節リウマチ:約2.0倍)を持つ人は、発症リスクが特に高いとされます。

2. 痛みが「恐ろしい後遺症」につながる可能性

帯状疱疹の最大の特徴は、主に体の左右どちらか一方に帯状に現れる水ぶくれと、それに伴う激しい痛みです。患者さんからは、「眠れないほど痛む」、「心臓を掴むようなぐんっという痛さ」、「ピリピリ、チクチク、ずっきんずっきんとした痛み」といった訴えがあります。

さらに深刻なのは、後遺症や合併症です。

  • 帯状疱疹後神経痛(PHN): 帯状疱疹が治癒した後も痛みが残り続ける後遺症で、数年間にわたって悩まされることがあります。
  • 合併症: 顔面など大事な神経が密集する部位に発症すると、顔面神経麻痺、難聴、視力障害(最悪の場合失明)などの後遺症につながる恐れがあります。稀に脳炎を起こし、意識障害や認知機能低下などの後遺症を残す可能性もあります。

予防が何よりも大切!2種類のワクチン比較

私たち内科医は、帯状疱疹対策において「一番大切なのはワクチンで予防すること」だと強調しています。

2025年4月1日からは、65歳、70歳、75歳、80歳、85歳、90歳、95歳、100歳以上となる方などを対象に、帯状疱疹ワクチンが定期接種(B類疾病)の対象となりました。自治体によっては一部公費負担で接種が可能です。

日本で承認されている2種類のワクチンの特徴を比較し、ご自身に合った選択肢を医師に相談しましょう。さいとう内科クリニックでは、これら2種類のワクチンの接種を積極的に行っております(ワクチン接種はあらかじめ予約が必要です)。

ワクチンの種類生ワクチン(ビケン)不活化ワクチン(シングリックス)
接種回数1回2回
費用目安(自費)8,000円程度計4万円ほど
発症予防効果5年後で約4割程度5年後で約9割程度
神経痛抑制効果6割程度9割以上
効果の持続時間5〜8年程度 (年齢とともに効果は低下)10年以上
推奨費用を抑えたい、発症しても軽症化を希望する場合予防効果、特に神経痛予防効果を重視する場合

予防効果を重視し、経済的に可能であれば、不活化ワクチン(組換えワクチン)が推奨されます。ただし、不活化ワクチンの方が、生ワクチンに比べて、接種後に発熱、腫脹がみられるケースが多いです。


ワクチン接種の「隠れたメリット」

帯状疱疹ワクチンは、発症予防だけでなく、全身の健康を守る「コストパフォーマンスが高い」対策としても注目されています。

1. 認知症リスクの低減:

英国のレポートでは、帯状疱疹ワクチン接種者が、その後7年間で新たに認知症と診断される確率が約20%減少したことが示されています。

2. 心血管リスクの低減:

韓国のデータ解析では、接種者で心不全や脳血管疾患などの心血管イベントリスクが23%低かったと報告されています。心疾患は日本人の死因第2位、脳血管疾患は第4位(2023年)であり、これらの疾患の対策にもつながる可能性があります。


もし発症したら?「72時間の壁」を意識した早期対応

もし帯状疱疹の初期症状(身体の片側に刺すような痛みや、かゆみより痛みが強い発疹)を感じた場合は、すぐに内科を受診してください。

  • 時間との勝負: ウイルスが増殖しやすいのは、発疹の出始めから72時間(3日)以内です。この72時間以内に抗ウイルス薬を服用することで、発疹と痛みの重症化を防ぐことができます。
  • 神経痛だけの時期も注意: 発疹が出ないまま神経痛だけが出る初期症状もあり、この時期に脳神経外科や整形外科を受診し、後から発疹が出てくるケースも非常に多いです。痛みを感じたら、すぐに医療機関を受診しましょう。

帯状疱疹は、痛みという形で日常を奪いかねない病気です。予防と早期発見こそが、その脅威から身を守る鍵となります。ご自身の健康維持のためにも、ワクチン接種についてぜひ前向きにご検討ください。

さいとう内科クリニックでは帯状疱疹や神経痛に関するご相談を承っておりますので、気になる症状などあれば気軽にご相談ください。

医療法人社団好也会 さいとう内科クリニック
医療法人社団好也会 さいとう内科クリニック 外観
院長
斉藤 雅也
診療内容
内科・消化器科
住所
〒651-2412
兵庫県神戸市西区竜が岡1-15-3(駐車場18台あり)
(旧:森岡内科医院)
電話
078-967-0019
携帯
080-7097-5109
電車
JR山陽本線「魚住駅」から車で約9分
JR山陽本線「大久保駅」から神姫バス天郷停留所(約11分)下車、徒歩5分
第二神明道路大久保インターから約1分
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