- 12月 26, 2025
【警報発令レベル】インフル、コロナ、O-157まで!年末にリスク増大する「9つの感染症」と「マルチデミック」への対策

現在、インフルエンザをはじめとする急性呼吸器感染症(ARI)の流行状況は、全国的にも「過去最多」のペースで進行しており、医療現場は「すでに限界に近い」状態です。
特にこの冬は、インフルエンザ、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)、ノロウイルスといった「常連」に加え、季節外れの危険な感染症まで同時に猛威を振るう「感染症パニック」とも呼べる事態となっています。
年末に向けて人々の移動が活発になる今こそ、ご自身とご家族を守るための正しい知識と対策が求められます。
【年末に警戒すべき9つの感染症】
| 1.インフルエンザウイルス 2.新型コロナウイルス(COVID-19) 3.RSウイルス 4.マイコプラズマ肺炎 5.百日咳 6.劇症型溶連菌 7.腸管出血性大腸菌(O-157) 8.カンピロバクター腸炎 9.ノロウイルス |
1.異例のインフルエンザ大流行と神戸・明石の現状

今年のインフルエンザの流行は、例年より約2カ月早く流行期入りしました。
異常な感染拡大
厚生労働省の最近のデータでは、全国の患者数は昨年の同時期と比較して約16倍に急増しています。
地域の深刻な状況
当院がある兵庫県内(神戸市・明石市周辺)でも、インフルエンザの流行は昨季より約6週間も早く注意報レベルに達しました。特に明石市(あかし保健所管内)では、警報の基準を大きく上回る極めて深刻な流行状況となっています。
症状の多様化
今シーズンのインフルエンザ(香港A型が主流)は、40度を超える高熱が出る患者が多い一方で、高齢者では熱があまり出ないまま呼吸症状が悪化するケースもあり要注意です。また、一見インフルエンザらしからぬ吐き気や腹痛、下痢といった胃腸症状、あるいは中耳炎のような「耳が痛い」という症状で陽性となるなど、症状が「もはや“何でもあり”の状態」になっていることが報告されています。
2. 9種類の脅威!「マルチデミック」が迫る

現在、医療現場で懸念されている感染症は、インフルエンザだけではありません。今後感染拡大が懸念される感染症は9種類に上ると指摘されています。
A. 深刻な呼吸器系感染症のリスク
インフルエンザ、新型コロナウイルス、RSウイルス、マイコプラズマ肺炎、百日咳の5種類が拡大しています。
- コロナとのダブル感染: 新型コロナの感染者も一定数おり、当クリニックでも2日に一度は陽性者が出ています。インフルエンザとコロナに「ダブル感染」しているケースも報告されています。
- マイコプラズマ肺炎の治療の難化: マイコプラズマ肺炎は、抗生物質が効きにくい「耐性菌」が増加しており、第一選択薬のマクロライド系が効かない人が半数に達しています。次に使用するミノマイシンは妊婦や8歳未満の子どもには使えないため、治療が難しく長引くケースが目立っています。
- 過去最多を更新中の疾患: しつこい咳が長引く百日咳も、今年は過去最多の感染者数を記録しています。さらに、感染から48時間以内に命を落とす可能性がある劇症型溶連菌の感染者数も昨年過去最多を更新し、今年もさらに増加傾向にあります。
B. 季節外れの消化器系感染症の脅威
本来夏に流行する腸管出血性大腸菌(O-157)やカンピロバクター腸炎が、この時期まで報告されています。これに冬の「常連」であるノロウイルスが加わり、消化器系のリスクも増大しています。
- O-157: 激しい腹痛、下痢、血便などの症状が出ます。肉を挟むトングや箸で他の食材をつかむなど、調理器具を介した感染拡大にも注意が必要です。
3.年末の「感染リレー」を防ぐために

12月に入ると、クリスマスイベント、忘年会、帰省などで人の移動が活発化し、外で感染したウイルスが家庭に持ち込まれ、家族全員が感染する「年末感染リレー」が発生する恐れがあります。年末年始は医療機関が休みに入るため、受診できない人が続出しかねず、重症者を優先せざるをえない状況になることが懸念されています。
この過酷な冬を乗り切るためには、私たち一人ひとりの心がけにほかなりません。
医師が推奨する具体的な予防策

インフルエンザおよび新型コロナウイルス感染症の予防接種には、発症をある程度抑える効果や、特に高齢者や基礎疾患のある方など重症化リスクの高い方の重症化を予防する効果があります。インフルエンザと新型コロナワクチンは同日に接種することが可能です。
基本的な感染対策の徹底
- 手洗い、うがい。
- 人混みに出るときはマスクを着用する。
- 外から戻ったら、手洗い、うがいに加えて歯磨きと入浴(湯船につかる)を心がけましょう。湯船で体を温め、丁寧に全身を洗うことで、皮膚や粘膜に付着したウイルスを落とすとともに、血流を促し免疫機能の活性化につながります。
免疫力を高める生活習慣
- 栄養摂取: ビタミンB群やビタミンC、タンパク質を意識して摂取し、体を冷やさないこと。
- 睡眠とストレス管理: 寝不足とストレスは感染リスクを増加させます。湯船にゆっくりつかり、心身を温めて眠るだけでも予防になります。
当院では、患者様が安心して診察を受けられるよう、感染対策を徹底しております。発熱患者様は、院内感染を防ぐために空間的分離を行い対応しています。症状が悪化する前に、適切な処置を受けることが重症化を防ぐ鍵となります。
- 院長
- 斉藤 雅也
- 診療内容
- 内科・消化器科
- 住所
- 〒651-2412
兵庫県神戸市西区竜が岡1-15-3(駐車場18台あり)
(旧:森岡内科医院) - 電話
- 078-967-0019
- 携帯
- 080-7097-5109
- 電車
- JR山陽本線「魚住駅」から車で約9分
JR山陽本線「大久保駅」から神姫バス天郷停留所(約11分)下車、徒歩5分 - 車
- 第二神明道路大久保インターから約1分
- 駐車場
- 駐車場18台完備!
