• 11月 11, 2025

【緊急警鐘】神戸市内で「百日咳」が流行中!長引く咳は要注意

こんにちは、神戸市西区のさいとう内科クリニック院長の斉藤雅也です。

当院がある神戸市西区周辺にお住まいの皆様、季節の変わり目で体調を崩しやすい時期ですが、いかがお過ごしでしょうか。

現在、神戸市ではインフルエンザの流行が続いていますが、長引く咳を特徴とする「百日咳」の発生も非常に懸念されています。神戸市では2025年11月時点で、百日咳の届出が累計1,283例に達しています。

百日咳は子どもの病気と思われがちですが、特に大人やワクチン効果が切れた学童期以降で発症者が増え、その軽度な症状から「ただの風邪」と見過ごされてしまうケースが問題となっています。

さらに、当地域で感染症対策を行う上で見過ごせない重大な情報として、マクロライド系抗菌薬が効かない耐性菌が神戸市内で検出されたことが報告されました。

今回は、百日咳がなぜ大人にとっても危険なのか、そして神戸市で確認された最新の耐性菌情報を含め、皆さまが取るべき対策についてお伝えいたします。


1. 「ただの風邪」じゃない!大人の百日咳が厄介な理由

百日咳は百日咳菌という細菌による呼吸器感染症です。大人が感染した場合、典型的な「ヒューッ」という特徴的な咳発作(痙咳発作)が出ないことが多く、症状が非常に軽いことが特徴です。

大人の症状の特徴

  • 咳が長引く(2週間以上続く):軽い風邪のような症状で始まり、コンコンという乾いた咳が長く続くのが特徴です。回復までには2~3カ月かかることもあり、これが「百日咳」の名の由来となっています。
  • 発熱は少ない:激しい咳の期間には、発熱はあまり伴いません。
  • QOL(生活の質)の低下:重症化はまれですが、咳が長引くことで仕事や家事に支障をきたしたり、咳のしすぎで肋骨の疲労骨折をしたりする例も報告されています。
  • 感染源になるリスク:症状が軽くても菌を排出しているため、ワクチン未接種の乳幼児へ感染を広げてしまうリスクが非常に高いです。

もし、咳が2週間以上続いている、または周囲に似たような長引く咳をしている人がいる場合は、百日咳の可能性がありますので、できるだけ早く医療機関を受診してください。


2. 緊急事態!神戸市で検出された「薬剤耐性百日咳菌」

百日咳の治療には、通常マクロライド系の抗菌薬が有効です。しかし、日本国内では近年、このマクロライド系抗菌薬が効きにくい耐性菌(MRBP)の出現が問題視されています。

さらに、2024年12月には、神戸市において国内初となる遺伝子型MT107のマクロライド耐性百日咳菌が検出されました。

このMT107株は、耐性に関わる遺伝子変異(A2047G)を有し、感受性試験ではマクロライド系抗菌薬(エリスロマイシン、クラリスロマイシン、アジスロマイシン)に対する最小発育阻止濃度(MIC)が256 μg/mL以上という高度な耐性を示しました。

早期診断と治療の難しさ

この耐性菌の出現により、治療はさらに難しくなっています。

  • 抗菌薬は、発症初期の「カタル期」に開始しなければ症状の悪化を防ぐ効果があまり期待できません。
  • 初期症状は風邪と見分けがつかないため、早期診断は非常に難しいです。
  • 耐性菌の場合、初期にマクロライド系の抗菌薬を投与しても効果がない可能性があります。

そのため、ご家族の中で似たような長引く咳をしている人がいる場合は、百日咳を疑い、その情報を医師に伝えることが早期診断の重要なヒントになります。


3. 最も危険な乳幼児の重症化リスク

百日咳の感染経路は飛沫感染と接触感染であり、最も重症化しやすいのは生後6ヵ月以下、特に生後3ヵ月以下の乳児です。

この月齢の赤ちゃんは咳をする力が弱く、典型的な咳発作が見られない代わりに、突然呼吸が一時的に止まる「無呼吸発作」を起こし、命に関わることがあります。また、肺炎や脳症などの重篤な合併症を引き起こすリスクも高いです。


4. 予防対策:ワクチンと日常の衛生管理

百日咳は、予防接種によって重症化を防ぐことが可能です。

予防接種について

  • 乳幼児:生後2カ月からの五種混合ワクチン(DPT-IPV)接種を、定められた合計4回、予定通りに完了することが最も重要です。
  • 学童期以降と大人:ワクチン接種による予防効果は4~10年程度で減弱します。日本小児科学会は、乳児期に接種したワクチンの効果が減弱する就学前のタイミングでの、三種混合ワクチンの追加接種を推奨しています。
  • 11歳以降の定期接種(二種混合)を任意で三種混合ワクチンに変更することも可能です(自費となります)。
  • 身近に赤ちゃんがいるご家族は、感染源となるリスクを減らすため、追加接種をご検討ください。

感染対策の徹底

感染経路は飛沫・接触感染ですので、インフルエンザ対策と同様に基本的な対策を徹底しましょう。

  • 外出後の手洗い、うがい。
  • 咳症状がある場合はマスクを着用する。
  • 百日咳菌にはアルコール消毒が有効です。

さいとう内科クリニックでの対応

当院では、長引く咳の原因を特定するため、症状の経過やご家族の状況を詳しくお伺いし、百日咳IgM抗体検査を含めた適切な診断に努めます。

「ただの風邪だろう」と判断せず、咳が2~3週間以上続く、夜間ひどくて眠れない、せき込み嘔吐をするといった状態がある場合は、特に重症化リスクの高い乳幼児を守るためにも、早めにさいとう内科クリニックにご相談ください。

医療法人社団好也会 さいとう内科クリニック
医療法人社団好也会 さいとう内科クリニック 外観
院長
斉藤 雅也
診療内容
内科・消化器科
住所
〒651-2412
兵庫県神戸市西区竜が岡1-15-3(駐車場18台あり)
(旧:森岡内科医院)
電話
078-967-0019
携帯
080-7097-5109
電車
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