• 11月 11, 2025

その咳、メジコンで本当に止まりますか?コロナ後・百日咳の咳に「効かない」と感じる理由と正しい咳止めの選び方

こんにちは、神戸市西区のさいとう内科クリニック院長の斉藤雅也です。

コロナやインフルエンザ、さらには百日咳の流行後、「熱は下がったのに、咳だけがしつこく残る」と訴えて来院される患者様が非常に増えています。

長引く咳は体力を消耗しますし、夜も眠れず本当につらいものです。

こうした中、咳止めとして「メジコン」という薬が処方されたり、薬局で「メジコンせき止め錠Pro」などの市販薬を手に取ったりする方も多いと思います。

しかし、当院の患者様の反応からして、「メジコン(デキストロメトルファン)を飲んでも咳が止まらない」といった声が非常に多く、期待した効果が得られていない方がいらっしゃるようです。

なぜ「メジコンが効かない」ケースがあるのでしょうか?

そもそもメジコンとはどんな薬で、どんな咳に効果が期待できるのか、専門家の立場からお伝えいたします。


「メジコン」とはどんな薬ですか?

まず、「メジコン」という薬の基本的な特徴を知ることが重要です。

主成分は「デキストロメトルファン」

「メジコン」の主成分は「デキストロメトルファン」という成分です。これは、脳の延髄(えんずい)にある「咳中枢(せきちゅうすう)」という、咳の司令塔に直接作用し、咳の反射そのものを抑え込む薬です(中枢性鎮咳薬)。

「処方薬」と「市販薬」があります

医療機関で処方される「メジコン錠」と、薬局で購入できる「メジコンせき止め錠Pro」などの市販薬があります。どちらも主成分は同じ「デキストロメトルファン」です。

得意な咳は「乾いた咳」

メジコンは、痰(たん)があまり絡まない「コンコン」という乾いた咳(乾性咳嗽)を鎮めることを最も得意としています。


2. なぜ「メジコンが効かない」と感じるのか?

メジコンは優れた咳止めですが、万能薬ではありません。「メジコンを飲んでも咳が止まらない」と感じる場合、主に3つの理由が考えられます。

咳の種類が合っていない(痰が絡む咳)

「ゴホゴホ」「ゼロゼロ」といった痰が絡む咳(湿性咳嗽)の場合、体は気道内の痰や異物を外に出そうとして咳をしています。

このタイプの咳をメジコンで無理に止めてしまうと、痰が気管支に溜まってしまい、かえって症状を悪化させたり、肺炎の原因になったりすることがあります。

痰が絡む場合は、咳を止めることよりも、痰を出しやすくする治療(去痰薬カルボシステインなど)を優先する必要があります。

咳の原因が「炎症」や「アレルギー」である

メジコンはあくまで咳の反射を抑える「対症療法」であり、咳の原因そのものを治す薬ではありません。

気管支炎・肺炎:

ウイルスや細菌の感染によって気道に強い炎症が起きている場合、その炎症自体が強い咳刺激となります。この場合、メジコンの鎮咳効果よりも炎症の刺激が上回り、「効かない」と感じることがあります。

咳喘息(せきぜんそく)・喘息(ぜんそく):

風邪の後などに長引く咳の代表的な原因です。これはアレルギー反応によって気道が狭くなり、炎症が起きている状態です。この場合、必要なのは咳中枢を抑えるメジコンではなく、気道の炎症を抑える「吸入ステロイド薬」など喘息の治療です。

咳の原因が「百日咳」である

当院でも、百日咳の症状とは何だろうと気になっておられる方が非常に多いですが、百日咳による咳は、咳中枢が異常に興奮することで起こる非常に激しいものです。

そのため、メジコンの作用だけでは抑えきれないことが多く、「効かない」と感じる代表的な疾患の一つです。百日咳の治療には、まず原因となる菌を除去するための抗菌薬(抗生物質)が必須です。


3. メジコンの主な副作用と注意点

メジコン(デキストロメトルファン)を使用する際には、いくつかの注意点があります。

最も多い副作用は「眠気」

脳に作用する薬のため、副作用として「眠気」や「めまい」が起こることがあります。市販薬を購入した場合でも、服用後の車の運転や危険な作業は控えるようにしてください。

喘息の方が使用する際の注意

「喘息の際にメジコンを飲んでも大丈夫?」と心配される方もいますが、メジコンは喘息の方でも比較的安全に使用できるとされています。

ただし、前述の通り、喘息発作中に咳を無理に止めると痰が出にくくなるリスクもあります。自己判断での市販薬の使用は避け、必ず医師の診断と管理の元で、メジコンを処方薬として使用することが重要です。


4. 咳が止まらない時、本当に必要なのは「原因診断」です

メジコン(デキストロメトルファン)は、正しく使えばつらい乾いた咳を和らげてくれる有効な薬です。

しかし、もし市販の咳止めを数日間飲んでも改善しない、あるいは、コロナ後に咳が止まらないといったように、2~3週間以上も咳が続いている場合、それは「ただの風邪の咳残り」ではない可能性が高いです。

その咳の裏には、気管支炎、肺炎、咳喘息、百日咳といった、専門的な診断と治療が必要な病気が隠れています。

自己判断で咳止めを飲み続けて様子を見ることは、根本的な原因の発見を遅らせてしまうことにも繋がります。長引く咳にお悩みの方は、ぜひ一度、当院にご相談ください。丁寧な問診と必要な検査で、あなたの「咳が止まらない」原因を突き止め、適切な治療をご提案します。

医療法人社団好也会 さいとう内科クリニック
医療法人社団好也会 さいとう内科クリニック 外観
院長
斉藤 雅也
診療内容
内科・消化器科
住所
〒651-2412
兵庫県神戸市西区竜が岡1-15-3(駐車場18台あり)
(旧:森岡内科医院)
電話
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携帯
080-7097-5109
電車
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