- 11月 12, 2025
その健康診断前の「悪あがき」、逆効果かも。肝臓病専門医が本音で教える健康診断のホントの話
健康診断前の「一時的な努力」の落とし穴

健康診断の時期が近づくと、「このままではマズイ」と慌てて生活習慣を見直す方は多いのではないでしょうか。ある調査によると、日常的に飲酒習慣がある方の約4割(43.9%)が、健康診断の前に飲酒や生活習慣を見直そうと意識しています。その中でも最も意識されるのは「飲酒量の削減」(66.5%)です。
しかし、その後の行動を見ると、意識を変えた人の約7割(69.2%)が、健康診断後にその改善を継続できていないという現実があります。継続できない理由としては、「我慢するのがストレス」(57.4%)や「モチベーションが続かない」(42.6%)などが上位に挙げられています。
一時的に禁酒や節制を行うことは、検査結果にどのような影響をもたらすのでしょうか。
内科医が指摘する「短期的な節制」の懸念点

私たちは、健康診断の数値は「普段の生活習慣を映す鏡」として捉えるべきだと考えています。
内科医への調査では、健康診断の前だけ飲酒を控えることが肝機能の検査結果に「強く影響すると思う」(39.7%)または「ある程度影響すると思う」(48.0%)と、約87.7%の医師が一時的な影響を認めています。
この短期的な数値改善が、却って深刻な問題を引き起こす懸念があります。医師の意見として、「一時的に良い数値が出て患者が誤解する」(50.1%)、「本来の生活習慣に基づいたデータが得られない」(49.7%)という点に回答が集中しました。
「数日間節制すれば結果が変わる」という事実は、裏を返せば、「普段の在り方こそが重要である」というメッセージです。日常の生活習慣を偽って得られたデータでは、せっかく時間を使って受けた健康診断の意味が半減してしまうのです。
肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれ、ダメージがかなり進行するまで自覚症状が現れにくい特性を持っています。だからこそ、定期的な健康診断で異常値を正確に捉えることが、早期発見の鍵となります。
肝臓の健康を守るための「継続可能な」生活習慣

では、健康を維持し、肝臓を守るために本当に必要な、無理なく継続できる習慣とは何でしょうか。調査では、日常的に飲酒する人が肝臓をケアするにあたって「継続しやすい生活習慣」として、以下の項目が上位に挙げられています。
- 十分な睡眠をとる(50.1%)。肝臓は睡眠中に最も活発に修復・再生が行われると言われています。規則正しい生活を心がけ、しっかりと睡眠をとる(6〜8時間目安)ことは体調管理のポイントです。寝不足やストレスは尿酸値を上げる要因にもなります。
- 食べ過ぎ・飲み過ぎを避ける(45.0%)。飲酒の適量を守り、休肝日を設けることが不可欠です。厚生労働省が推奨する1日のアルコール適量は、男性で25gまで、女性で20gまでとされています。
- 食事の「質」と「食べ方」を見直しましょう。脂肪肝の改善には、糖質や脂質の過剰摂取を避け、特に清涼飲料水やジュースや果物に多く含まれる果糖の過剰摂取に注意が必要です。また、早食いは食べ過ぎを招くため、一口につき30回噛むことを意識し、ゆっくり食べる習慣が推奨されます。
- 体重の目安として、BMIが23を超えたあたりから、食べ過ぎによる肝炎(脂肪肝炎)が起こりうることが分かっています。食事は腹八分目を心がけましょう。
- 定期的に運動する(38.9%)。脂肪肝の改善には、ウォーキングやジョギングといった有酸素運動を週に3回以上、1回30分以上を目安に続けることが効果的です。また、スクワットなどの筋力トレーニングを組み合わせることで、基礎代謝を上げ、脂肪が燃えやすい体づくりにつながります。
- ただし、激しい筋トレやプロテイン・サプリメントの過剰摂取は、一時的にASTやALTといった肝機能の数値(肝細胞の損傷を示す酵素)を上昇させる可能性があり、自己判断せずに肝臓病専門医に相談することが重要です。
まとめ:健康は継続と正確なデータから

健康診断の直前だけ頑張る「にわか努力」は、真の健康状態を隠してしまう可能性があります。肝臓病は自覚症状が出にくく、気づいた時には肝硬変など重篤な状態に進行しているリスクがあります。

最も大切なのは、日々の生活の中で無理なく続けられる改善策を習慣化することです。そして、定期的な血液検査(AST、ALT、γ-GTPなど)に加え、肝臓の脂肪の蓄積具合や線維化(硬さ)を痛みなく評価できる腹部超音波(エコー)検査を併用することで、ご自身の肝臓の「本当の状態」を正確に把握し、早期に対応することが、あなたの健康を守るカギとなります。
健康診断で肝機能の異常を指摘されたり、ご自身の生活習慣に不安を感じたりする場合は、自己判断をせずに、ぜひ一度、肝臓病専門医にご相談ください。オンラインでの事前相談も可能です。
- 院長
- 斉藤 雅也
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