• 1月 5, 2026

【意外に知られていない事実】「餅は消化に良い」は大間違い?喉だけじゃない、「腸」で詰まる『餅イレウス』にご注意を

新年あけましておめでとうございます。

神戸市西区のさいとう内科クリニック院長の斉藤雅也です。

お正月といえば、お雑煮や焼き餅など「お餅」を食べる機会が増える時期ですね。

「風邪気味だから、消化に良いお餅入りのうどんにしよう」

「お餅は腹持ちが良いから元気が出る」

そんなふうに思っていませんか?

実は医学的に見ると、「餅は消化が悪く、腸で詰まりやすい危険な食べ物」なのです。

今回は、喉の窒息だけではない、意外と知られていないお餅のリスク「餅イレウス」についてお伝えいたします。


1.「餅は消化に良い」は誤解です

一般的にお米(ご飯)やうどんは消化が良いとされていますが、お餅の主成分であるもち米のデンプン(アミロペクチン)は、複雑な構造をしており、消化酵素による分解を受けにくいという特徴があります。

さらに、餅つきの過程でその構造がより強固になるため、胃腸にとっては非常に負担のかかる「消化されにくい食材」なのです。


2.喉を過ぎても安心できない「餅イレウス」

お餅の事故といえば「喉に詰まらせる(窒息)」が有名ですが、無事に飲み込んだ後にも危険が潜んでいます。それが「餅イレウス(腸閉塞)」です。

これは、飲み込んだお餅が、消化されないまま小腸などで固まり、腸の道を塞いでしまう病気です。食べてから24時間以内に激しい腹痛や嘔吐が起こり、最悪の場合は鼻からチューブを入れたり、手術が必要になったりすることもあります。


3.なぜ腸で詰まる?最大の罠は「温度変化」

「口の中ではあんなに柔らかいのに、なぜ?」と思いますよね。

餅イレウスの最大の原因は、「冷えると硬くなる」というお餅の性質にあります。

  1. 口・食道: アツアツで柔らかいので、スルッと通ります。
  2. 胃: まだ温かいため、形を変えて胃の出口を通過します。
  3. 小腸: ここで問題が起きます。体温(約36〜37℃)まで温度が下がると、お餅は冷えて硬くなり、粘着性が増します。

こうして、硬くベタベタになったお餅が腸の壁にくっつき、栓をするように詰まってしまうのです。


4.特に注意が必要な方

どなたでも起こり得ますが、特に以下の方はリスクが高いため注意が必要です。

高齢の方やパーキンソン病の方: 噛む力や腸の動きが弱くなっているため。
・「開腹手術」を受けたことがある方: 帝王切開や盲腸、胃がんなどの手術歴がある場合、腸が癒着(ゆちゃく)して通り道が細くなっていることがあり、そこにお餅が引っかかりやすくなります。
・早食いの方: よく噛まずに大きな塊のまま飲み込むのは危険です。

まとめ:安全にお餅を楽しむために

「お餅は怖いから食べるのをやめよう」というわけではありません。

美味しいお餅を安全に楽しむために、以下の3点を意識してください。

とにかく小さく切る: これが最大の防御です。一口サイズよりもさらに小さく切りましょう。
よく噛んで食べる: 口の中で唾液と混ぜ合わせ、ドロドロにしてから飲み込みましょう。
・水分と一緒に: お雑煮やお茶など、水分と一緒に摂ることで詰まりを防ぎます。

もし、お餅を食べた後に激しい腹痛や吐き気が現れた場合は、我慢せずに早めに医療機関を受診してください。

本年も、皆様の健康を守る有益な情報を多数発信してまいります。参考になれば幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。

医療法人社団好也会 さいとう内科クリニック
医療法人社団好也会 さいとう内科クリニック 外観
院長
斉藤 雅也
診療内容
内科・消化器科
住所
〒651-2412
兵庫県神戸市西区竜が岡1-15-3(駐車場18台あり)
(旧:森岡内科医院)
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