• 8月 17, 2018
  • 1月 10, 2025

犬や猫による咬傷で注意すべきことは

毎日暑い日が続いていますが、いかがお過ごしでしょうか。

夏ですのでハチ刺されの患者さまが増えていますが、犬や猫に咬まれたという患者さまも散見されます。

夏になると薄着になるからか、毎年夏に、犬や猫による咬傷が多い傾向にあります。

犬や猫、そしてケンカしてヒトに咬まれたという場合、皮膚が赤く腫れて痛みが出るまで自宅で冷やして様子をみている患者さまが多いように思います。

これは破傷風菌感染という面では非常に危険な判断だとされています。

なぜなら発症すれば50%の確率で死に至る感染症だからです。

破傷風菌はもともと土壌にすんでいる菌ですが、動物、もちろんヒトの口腔内にも常在している菌でもあります。

破傷風の予防接種は1968年から開始され、実際に接種が広まったのが1975年からであり、40歳以上の方は予防接種(3回以上)がされていない可能性があります。

さらに、破傷風予防接種してから10年以上経過すれば、予防接種による効き目は完全に失活してしまっているため感染予防効果はありません。

つまり、小学生のときに最後に行った破傷風予防接種では終生免疫がつかないのです(22歳くらいで失活)。

海外では10年毎に破傷風ワクチン接種をしている国があるくらいです。

犬と比べ猫咬傷の場合は、歯が鋭く細いため、より組織の深部に達しやすいことから、創感染を起こしやすいとされています。

そして破傷風感染リスクも高くなります。

抗生剤投与に加え、破傷風予防のため、破傷風トキソイド注射および必要に応じてグロブリン注射が必要になります。

犬や猫に咬まれたら、ご自身の破傷風予防接種歴を母子手帳などで確認し、できるだけ早く(可能なら6時間以内に)受診しましょうね。

医療法人社団好也会 さいとう内科クリニック 078-967-0019 ホームページ