• 11月 30, 2018
  • 1月 10, 2025

C型慢性肝炎、肝硬変に対する新薬登場!

久しぶりの更新となってしまいましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか?

今回はC型肝炎のお話です。

C型肝炎患者さんはほとんど無症状ですが、そのうち多くの患者さんは、感染して約30年を経て肝硬変、そして肝癌に移行していきます。

黄疸、腹水、食道・胃静脈瘤破裂、脳症といった症状を呈するようになれば、もう肝硬変がだいぶ進行している状態です。

こういった症状がない肝炎、肝硬変患者さんは、ウイルスの遺伝子型に関わらず、ハーボニーやマヴィレットといった抗ウイルス薬をたかだか8~12週間内服するだけで、ほぼ99%ウイルスを消失させることができる時代となりました。

しかし、症状が出てしまった肝硬変患者さんには、ウイルスを消失させる治療というのがありませんでした。

そこで、ついに来年1月に、症状が出てしまった肝硬変患者さんに対してウイルスを消失させうる新薬が登場します。

ギリアド・サイエンシーズ社から発売される「エプクルサ」という薬です。

これは、黄疸、腹水、食道・胃静脈瘤、脳症を有する肝予備能の低い肝硬変患者さんに対して、比較的安全にウイルスを消失させる効果があります。

また、ハーボニーでウイルスが消失しなかった患者さまにも有効です。

ウイルスが消失した後の肝予備能の改善や肝発癌抑制効果、しいては予後延長効果についてはこれから新たな知見が出てくると思われます。

C型肝炎、肝硬変の抗ウイルス薬としてはエプクルサの後はもう新薬が出てこない予定です。

つまり、もうここまで来れば、ほぼ100%ウイルスを消失させることができるからです。

C型肝炎、肝硬変患者さんの抗ウイルス治療が格段に進歩しています。

次回は、海外のC型肝炎の現状について触れたいと思います。

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