- 6月 2, 2025
STOP!脂肪肝。気になるおならの悩みと、症状を改善する食べ物リスト

「最近、お腹が張ってガスが溜まりやすい…」
「なんだか疲れやすくて、おならの臭いも気になる…」
「健康診断で脂肪肝と言われたけど、どうしたらいいの?」
こんなお悩みや疑問を抱えていませんか? もしかしたら、その不調の影には「脂肪肝」が隠れているかもしれません。
脂肪肝は、日本人の3人に1人、特に男性では40%が罹患しているともいわれる身近な病気です。しかし、自覚症状が出にくいため「沈黙の臓器」である肝臓からのSOSを見逃しがち。放置すると、肝炎や肝硬変、さらには肝がんといった深刻な病気に進行する可能性も指摘されています。
このブログでは、脂肪肝の基礎知識から、多くの方が気にされている「おなら」との意外な関係、そして今日から実践できる症状改善のための食べ物リストまで、詳しく解説していきます。手遅れになる前に、生活習慣を見直し、健康な肝臓を取り戻しましょう!
脂肪肝って何?なぜなるの?放置するとどうなる?

脂肪肝とは、その名の通り、肝臓に中性脂肪が過剰に蓄積した状態を指します。具体的には、肝臓全体の30%以上を脂肪が占めている場合に診断されます。食事で摂った脂質や糖質は、肝臓でエネルギーとして使われたり貯蔵されたりしますが、摂取エネルギーが消費エネルギーを上回ると、使いきれなかった分が中性脂肪として肝臓に溜まってしまうのです。
脂肪肝の主な原因
脂肪肝の原因は一つではありませんが、主に以下の要因が挙げられます。
- 食べ過ぎ・飲みすぎ: 特に脂質の多い食事、糖質の過剰摂取(甘いもの、炭水化物の摂りすぎ)、アルコールの飲みすぎは大きな原因です。
- 肥満: 内臓脂肪が増えると、肝臓にも脂肪が蓄積しやすくなります。日本人の脂肪肝の最も多い原因とも言われています。
- 運動不足: 消費エネルギーが少ないと、摂取したエネルギーが余りやすくなります。
- 不規則な生活習慣: 暴飲暴食、夜遅くの食事なども肝臓に負担をかけます。
- 糖尿病・脂質異常症: これらの生活習慣病は脂肪肝を合併しやすいことがわかっています。
- 無理なダイエット: 極端な食事制限は、かえって肝臓に脂肪を溜め込む「低栄養性脂肪肝」を引き起こすことがあります。
脂肪肝の種類
大きく分けて2つのタイプがあります。
- アルコール性脂肪肝: 長期間のアルコール過剰摂取が原因です。飲み続けるとアルコール性肝炎(ASH)や肝硬変に進行するリスクがあります。
- 非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD): アルコールをほとんど飲まないか、少量しか飲まない人にも起こる脂肪肝です。食べ過ぎや運動不足、肥満、糖尿病などが主な原因とされ、近年増加傾向にあります。NAFLDの中には、進行して非アルコール性脂肪肝炎(NASH)となり、肝硬変や肝がんへと進展するケースがあるため注意が必要です。
放置するリスク
「ただ太っているだけでしょ?」と軽く考えてはいけません。脂肪肝を放置すると、肝細胞に炎症が起きたり、細胞が壊れて線維化が進んだりして、以下のような深刻な状態に進む可能性があります。
- 肝炎(脂肪性肝炎)
- 肝硬変
- 肝がん
- 糖尿病や脂質異常症などの生活習慣病の悪化
- 動脈硬化の進行(心筋梗塞や脳梗塞のリスク増大)
「沈黙の臓器」からのSOS?脂肪肝のサインを見逃さないで!

肝臓は非常に我慢強い臓器で、初期の脂肪肝ではほとんど自覚症状が現れません。そのため、健康診断や人間ドックの血液検査や腹部超音波検査で初めて指摘されるケースが非常に多いのです。
しかし、症状が進行すると、以下のようなサインが現れることがあります。
- 全身の倦怠感、疲れやすい: 十分な睡眠をとっても疲れがとれない。
- 食欲不振、吐き気
- 腹部膨満感: お腹が張って苦しい感じがする。
- 消化不良: 胃もたれしやすくなった、食べたものがいつまでも残っている感じがする。
- 右上腹部の鈍痛や不快感: 肝臓があるあたりが重苦しい、しくしく痛む。
- 肩こり、頭がボーッとする
- 黄疸(おうだん): 皮膚や白目が黄色くなる(かなり進行した場合)。
- 足のむくみ
これらの症状に心当たりがある場合は、自己判断せずに早めに医療機関を受診しましょう。
気になる「おなら」と脂肪肝の意外な関係

「最近おならがよく出るようになった」「おならの臭いがきつくなった気がする」といったお悩みはありませんか? 実は、これらのおならの変化も、脂肪肝と無関係ではないかもしれません。
脂肪肝の症状として「腹部膨満感」や「消化不良」が挙げられることは先述の通りです。肝臓の機能が低下すると、食べ物の消化・吸収を助ける胆汁の分泌が悪くなったり、消化酵素の働きが鈍ったりすることが考えられます。
この消化不良が、おならの悩みと結びつくポイントです。
- ガスの発生: 食べたものが十分に消化されないまま大腸に送られると、腸内細菌によって異常発酵が起こりやすくなります。この過程でガス(おならの主成分)が過剰に発生し、お腹の張りやおならの回数増加につながることがあります。
- 臭いの悪化: 特にタンパク質や脂質が十分に消化されないと、腸内でウェルシュ菌などの悪玉菌が増殖しやすくなります。これらの悪玉菌は、アンモニアや硫化水素といった臭いの強いガスを産生するため、おならの臭いがきつくなる原因となり得ます。
- 腸内環境の乱れ: 脂肪肝の人は、腸内細菌叢(腸内フローラ)のバランスが乱れている(ディスバイオーシス)場合があるという研究報告も出てきています。腸内環境が悪化すると、消化吸収能力の低下や有害物質の産生が進み、おならだけでなく、便秘や下痢といった他の消化器症状も引き起こしやすくなります。
つまり、脂肪肝が進行し肝機能が低下することで消化不良が起こり、その結果として腸内環境が悪化し、おならの量や臭いに変化が現れる、という流れが考えられるのです。
もちろん、おならの悩みは脂肪肝だけが原因とは限りませんが、もし脂肪肝の他のサインも併せて見られるようであれば、一度専門医に相談してみることをお勧めします。
STOP!脂肪肝 症状改善&おならの悩みにアプローチする食べ物リスト

脂肪肝の治療に特効薬はありません。最も重要なのは、原因となる生活習慣、特に「食事」を見直すことです。肝臓に溜まった脂肪を減らし、機能を回復させるためには、バランスの取れた食事が不可欠です。
ここでは、脂肪肝の改善、そして気になるおならの悩みにもアプローチできる食べ物や栄養素、食事のポイントをご紹介します。
積極的に摂りたい食べ物・栄養素
- 食物繊維が豊富な食品:
- 種類: 野菜(特にキャベツ、ブロッコリー、ほうれん草などの葉物野菜、ごぼう、にんじんなどの根菜)、きのこ類(しめじ、えのき、舞茸など)、海藻類(わかめ、ひじき、昆布など)、大豆製品、こんにゃくなど。
- 期待できる効果:
- 腸内環境を整え、善玉菌のエサとなり、悪玉菌の増殖を抑える(おならの臭い軽減)。
- 便通を改善し、有害物質の排出を促す。
- 食後の血糖値の急上昇を抑える。
- コレステロールや中性脂肪の吸収を穏やかにする。
- ポイント: 食事の最初に野菜やきのこ、海藻類を食べる「ベジファースト(ベジタブルファースト)」を心がけると、満腹感が得られやすく、食べ過ぎ防止にも繋がります。
- 良質なタンパク質:
- 種類: 鶏むね肉(皮なし)、ささみ、魚介類(特にアジ、サバ、イワシなどの青魚)、卵、大豆製品(豆腐、納豆、豆乳など)。
- 期待できる効果: 傷んだ肝細胞の修復・再生を助ける。筋肉量を維持し、基礎代謝を上げる。
- ポイント: 脂質の少ない調理法(蒸す、茹でる、焼くなど)を選びましょう。
- 抗酸化作用のある食品:
- 種類:
- 緑黄色野菜: にんじん、かぼちゃ、ピーマン、ほうれん草など(βカロテン、ビタミンC、ビタミンEが豊富)。
- 緑茶: カテキンが多く含まれ、活性酸素の働きを抑える効果が期待されます。
- その他: ナッツ類(アーモンドなど ※ただし脂質も含むため適量に)、ベリー類(ブルーベリーなど)。
- 期待できる効果: 肝臓の炎症を抑え、細胞のダメージを軽減する。
- 種類:
- 肝機能サポートが期待される栄養素を含む食品:
- タウリン: イカ、タコ、エビ、カキ、ホタテなどの魚介類に豊富。胆汁酸の分泌を促し、肝臓の解毒作用を助けると言われています。
- オルニチン: しじみに多く含まれ、肝臓の働きを助けるアミノ酸の一種です。
- ビタミンB群: 豚肉、レバー、魚介類、豆類などに含まれ、エネルギー代謝や肝臓の働きに不可欠です。
控えるべき食べ物・飲み物
- 糖質の多いもの
- 砂糖を多く含むお菓子、ケーキ、清涼飲料水、ジュース類。
- ご飯、パン、麺類などの炭水化物の過剰摂取。特に精白されたものは血糖値を上げやすいです。
- 果物も果糖を多く含むため、食べ過ぎには注意が必要です。
- 脂質の多いもの
- 揚げ物(天ぷら、唐揚げ、フライドポテトなど)。
- 脂身の多い肉(バラ肉、ひき肉など)。
- バター、生クリーム、マーガリンを多く使った料理や洋菓子。
- スナック菓子、インスタントラーメン。
- アルコール
- アルコール性脂肪肝の場合は禁酒が原則です。
- 非アルコール性脂肪肝の場合でも、アルコールは肝臓に負担をかけるため、できるだけ控えるか、医師に相談の上で適量を守りましょう。休肝日を設けることも重要です。
- 塩分の多いもの
- 加工食品、インスタント食品、外食は塩分が高い傾向にあるため注意が必要です。高血圧は脂肪肝のリスクを高めます。
食事の摂り方のポイント
- 1日3食、規則正しく: 欠食は次の食事での食べ過ぎや血糖値の急上昇を招きます。
- ゆっくりよく噛んで食べる: 満腹中枢が刺激され、食べ過ぎを防ぎます。消化も助けます。
- 腹八分目を心がける:
- 夜遅い時間の食事は避ける: 就寝の3時間前までには食事を済ませましょう。
- 間食は控えるか、質と量を考える: する場合は、ナッツ少量、ヨーグルト、果物少量などヘルシーなものを選びましょう。
- 調理法を工夫する: 「揚げる」「炒める」よりも「蒸す」「茹でる」「焼く(網焼きなど油を落とす)」を選びましょう。
- 和食中心の献立を意識する: 主食・主菜・副菜(野菜、きのこ、海藻など2品程度)をそろえ、バランスの良い食事を心がけましょう。
食事だけじゃない!脂肪肝改善のための生活習慣

食事療法と合わせて、以下の生活習慣も見直すことで、より効果的に脂肪肝の改善が期待できます。
- 適度な運動:
- 有酸素運動: ウォーキング、ジョギング、水泳、サイクリングなどがおすすめです。少し息が弾む程度の強度で、1回20~30分以上、週に2~3回以上を目安に続けましょう。脂肪燃焼に効果的です。
- 筋力トレーニング: スクワットや腹筋など、大きな筋肉を鍛える運動を取り入れましょう。筋肉量が増えると基礎代謝が上がり、脂肪が燃焼しやすい体になります。運動前に軽い筋トレを行うと、成長ホルモンの分泌が促され、有酸素運動の効果が高まるとも言われています。
- 十分な睡眠: 睡眠不足はホルモンバランスを乱し、食欲増進や代謝の低下につながることがあります。質の良い睡眠を心がけましょう。
- ストレスを溜めない: 過度なストレスは暴飲暴食の原因になったり、自律神経を乱して内臓機能に影響を与えたりすることがあります。自分に合ったリフレッシュ方法を見つけましょう。
- 禁煙: 喫煙は活性酸素を増やし、肝臓にも悪影響を与えます。
- 定期的な健康診断: 脂肪肝は自覚症状が出にくいため、定期的に健康診断を受け、肝機能の数値をチェックすることが早期発見・早期対応につながります。異常を指摘されたら放置せず、必ず医療機関を受診しましょう。
脂肪肝は生活習慣病。今日からできること始めよう!

脂肪肝は、かつては比較的軽い病気と考えられていましたが、現在では肝硬変や肝がんといった深刻な病気への入り口となる可能性が指摘されています。しかし、悲観的になる必要はありません。脂肪肝の多くは、原因となる生活習慣を見直すことで改善が期待できる病気です。
お腹の張りや気になるおならの悩みも、もしかしたら肝臓からのSOSかもしれません。この記事でご紹介した食事のポイントや生活習慣の改善策を参考に、今日からできることから少しずつ取り組んでみませんか?
そして何よりも、気になる症状がある方や健康診断で異常を指摘された方は、自己判断せずに必ず専門医に相談し、適切なアドバイスを受けるようにしてください。早期発見・早期対応が、あなたの肝臓を守るための最も大切な一歩です。