- 9月 7, 2025
- 9月 8, 2025
新型コロナ「ニンバス」はなぜ流行?風邪との違いと自宅でできる喉の痛み対策

皆さん、こんにちは。
さいとう内科クリニック 院長の斉藤雅也です。
9月に入っても、新型コロナウイルスの変異株「ニンバス」の流行に関するニュースが続いています。前回の記事では、ニンバスの基本的な特徴や当院での治療方針について解説いたしました。
今回はさらに一歩踏み込んで、「なぜ今、こんなに感染が広がっているの?」「この症状はただの風邪?」「病院に行く前に家でできることはある?」といった、皆さんが抱える具体的な疑問にお答えしていきたいと思います。
なぜ今、ニンバスの感染が広がっているのか?

この夏のニンバス株の流行拡大には、いくつかの背景が考えられています。
猛暑による換気の機会の減少
記録的な猛暑が続いたことで、冷房をつけた室内で過ごす時間が増え、窓を閉め切る機会が多くなりました。これにより、ウイルスが空気中に滞留しやすくなった可能性があります。
夏休みの人の移動の活発化
お盆休みや夏休みを利用した旅行、帰省、イベント参加などにより、地域を越えた人の移動が活発になり、感染が広がる機会が増えました。
夏バテによる免疫力の低下
厳しい暑さによる体力の消耗や食欲不振は、気づかぬうちに免疫力を低下させることがあります。体が弱っているところにウイルスが侵入しやすくなったとも考えられます。暑くて食欲が落ちてしまい、お魚やお肉、豆腐を食べる量が減ると、血中の蛋白アルブミンが低下することにより免疫力が低下してしまうことも考えられます。
例年の傾向を見ると、夏の感染の波は9月上旬から中旬ごろまで続くことがあります。引き続き、基本的な感染対策を心がけることが大切です。
その症状、ニンバス?ただの風邪?インフルエンザとの違いは?
喉の痛みや発熱があると、「どの病気だろう?」と不安になりますよね。症状だけで完全に見分けるのは難しいですが、一般的な傾向として以下のような違いが報告されています。
ニンバス(新型コロナ)
「ガラスの破片を飲むような」と表現されることもある、質の鋭い、強い喉の痛みが特徴的です。アレルギーのように鼻水やくしゃみが続くこともあります。
インフルエンザ
38度以上の急な高熱とともに、強い関節痛や筋肉痛、全身の倦怠感といった全身症状が急激に現れるのが特徴です。
一般的な風邪
喉のイガイガした軽い痛みや鼻水など、局所的な症状からゆっくりと始まることが多く、発熱も軽度な場合がほとんどです。
これらはあくまで目安です。特にニンバスは症状に個人差があるため、自己判断は禁物です。喉の痛みは軽度にとどまり、発熱、倦怠感、頭痛が主たる症状のこともあります。正確な診断のためには、医療機関での検査が不可欠です。
つらい喉の痛みを和らげる!自宅でできるセルフケア

医療機関を受診するまでの間や、ご自宅での療養中に、つらい喉の痛みを少しでも和らげるための工夫をご紹介します。
薬の活用
市販の解熱鎮痛薬が痛みの緩和に役立ちます。アセトアミノフェンやイブプロフェンなどの抗炎症作用を持つものが効果的とされます。用法・用量を守って正しくお使いください。
こまめな水分補給
喉の乾燥は痛みを悪化させます。刺激の少ない、人肌程度の温度の飲み物(白湯、麦茶、経口補水液など)を少しずつ頻繁に飲むようにしましょう。
喉に優しい食事
喉への刺激が少ない、ゼリー、プリン、おかゆ、豆腐、茶わん蒸しなどを選ぶと良いでしょう。熱すぎるもの、辛いもの、酸っぱいものは痛みを増強させる可能性があるので避けてください。
喉を潤す環境づくり
加湿器を使用したり、濡れタオルを室内に干して、部屋の湿度を保ちましょう。のど飴や氷片を口に含むのも効果的です。
ただし、これらは一時的な緩和策です。症状が改善しない、あるいは悪化するような場合は、我慢せずに当院へご相談ください。
ニンバスの後遺症は?感染後の注意点

「ニンバスに感染した後、後遺症は残るのか」と心配される方もいらっしゃるかと思います。現時点では、ニンバス株に特有の後遺症が報告されているわけではありません。
しかし、これまでのコロナウイルス感染症と同様に、回復後も咳や痰、倦怠感、集中力の低下といった症状がしばらく続く可能性はあります。療養期間が終わっても、決して無理をせず、少しずつ体力を戻していくことが大切です。
まとめ
今回の記事のポイントを振り返ります。
- ニンバスの夏の流行には、猛暑による換気不足や人の移動などが背景にあります。
- 喉の痛みの「質」や全身症状の有無が、風邪やインフルエンザとの一つの見分け方になります。
- つらい喉の痛みには、適切なセルフケアで症状を和らげることができます。
- ニンバス特有の後遺症は報告されていませんが、回復後も無理は禁物です。
基本的な症状や当院での検査・治療については、前回の記事も、ぜひあわせてご覧ください。
体調に異変を感じたり、この記事を読んでご不安になったりした方は、決して一人で悩まず、お気軽にさいとう内科クリニックまでお電話ください。コロナ、インフルエンザ、溶連菌、マイコプラズマや百日咳など、気になる感染症の検査を積極的に実施しております。皆さんに少しでも安心を提供できるよう、スタッフ一同、取り組んでまいります。
【当院からのお知らせ】インフルエンザ・新型コロナワクチン定期接種のご案内

感染症の流行シーズンに備え、感染予防および重症化予防のためにワクチン接種は大変有効です。当院では、以下の通りワクチン接種を実施いたします。高齢者はもとより、受験生やそのご家族、高齢者と同居されているご家族、ご多忙な子育て中の夫婦やビジネスマンは特に接種が望ましいと思われます。
◼️ インフルエンザワクチン
- 受付期間:9月29日(月)~12月20日(土)
- 接種期間:10月1日(水)~12月24日(水)
- 接種時間:
- 月・水・金: 15:30 または 19:30
- 土: 13:30
- ※ご予約の上ご来院ください。
- 接種回数:1歳~12歳は2回接種推奨 (2~4週間隔)、13歳以上は1回接種
- 接種料金:
- 64歳以下: 1回目 5,000円 / 2回目 2,700円
- 65歳以上: 1,500円
- 神戸市在住の1歳~12歳の方は1回につき2,000円の助成があります。
◼️ 新型コロナワクチン
- 受付期間:9月29日(月)~12月20日(土)
- 接種期間:10月1日(水)~12月24日(水)
- 接種時間:診察時間内ならいつでも接種可能です。
- 予約方法:お電話 または 受付窓口にてご予約ください。受付窓口で申し込みされた後すぐに接種することも可能です。
- 接種料金:
- 高校生から64歳まで: 14,000円
- 65歳以上: 8,000円
- 60歳~64歳の障害者手帳1級相当の方: 8,000円
※神戸市・明石市の公費助成対象の方(65歳以上など)で、市民税非課税世帯、生活保護世帯等の方は無料となります。該当される方は証明書類をお持ちください。(明石市の料金は未定の部分がありますのでお問い合わせください)
インフルエンザワクチンとコロナワクチンの同時接種も可能です。
ご希望の方はお気軽にご相談ください。定期的に診察を受けておられる方は診察時の接種も可能です。