• 9月 7, 2025
  • 9月 8, 2025

2025-26年インフルエンザ流行予測とワクチン接種のご案内

こんにちは。神戸市西区のさいとう内科クリニック院長の斉藤です。

9月に入り、朝晩は少しずつ過ごしやすくなってきましたが、同時に冬の感染症シーズンへの備えを始める大切な時期でもあります。

当院はインフルエンザの定点報告医療機関ですが、早速、神戸市内では8月下旬からインフルエンザの患者さんの報告が各地で上がり始めており、今年のシーズンは既に静かに始まっています。また、院長は開院してからずっと学校医も行っているのですが、近隣の学校ではインフルエンザによる学級閉鎖も起きています。例年よりもインフルエンザが流行する開始時期が早くなるのではと危惧しています。

「今年のインフルエンザはどの型が流行るの?」

「痛くないと噂の“点鼻ワクチン”って、実際どうなの?」

といった疑問をお持ちの患者様も多くいらっしゃるかと思います。今回は、2025年から2026年にかけてのインフルエンザの流行予測と、ご自身やご家族に合ったワクチン選び、そして当院での予防接種の進め方についてお伝えします。


2025-2026年冬、インフルエンザはどうなる?

現時点での専門家の見解や、南半球での流行状況から、今シーズンの傾向を予測します。

どの型のウイルスが流行しやすいのか?

この夏の南半球(オーストラリアなど)では、インフルエンザA(H1N1)型が多く検出されました。このことから、日本でもこのA(H1N1)型が流行の中心となる可能性が指摘されています。

その型は重症化しやすいのか?

A(H1N1)型は、基礎疾患のない若い方でも肺炎などを合併して重症化することがある、注意が必要なタイプです。特にご高齢の方や基礎疾患をお持ちの方は、しっかりと対策をする必要があります。

いつ頃から流行すると想定されているのか?

例年、流行のピークは1月~2月ですが、近年は開始時期が早まる傾向にあります。先述の通り、神戸市内でも既に患者さんの報告が始まっているため、本格的な流行の波に備え、10月~11月中のワクチン接種をおすすめします。この点を踏まえて、当院でのワクチン接種の開始日は10月1日からとしています。


今年はワクチンをどう選ぶ?注射と「点鼻ワクチン」の違い

今シーズン、特に多くのご質問をいただくのが「点鼻ワクチン」についてです。従来の注射ワクチンとの違いを、皆さんの疑問に答える形でお話しします。

【話題の点鼻ワクチン(フルミスト®)とは?】

鼻の中にシュッと薬剤を噴霧するタイプの、針を使わない生ワクチンです。現時点(2025年9月)で保険適用外の自費診療となり、定期接種(公費助成)の対象は、従来の注射ワクチンのみです。

患者様の反響としては、注射が苦手なお子様を持つ親御さんから「痛くないので助かる」「泣かずに接種できた」と、大変ご好評をいただいています。

【気になる副作用、鼻水は本当に出る?】

「点鼻した後に鼻水が止まらなくなる」というご心配の声を耳にしますが、これは最も一般的な副反応の一つです。接種後数日以内に、約6割の方に鼻水・鼻づまりが見られますが、数日で自然に軽快する一過性のものです。その他、咽頭痛や微熱など、軽い風邪のような症状がみられることもあります。点鼻ワクチンを受けたのにすぐにインフルエンザに感染したと誤解される方もおられるかもしれません。注射では見られない副反応ですので、気になる方は、注射の方が望ましいと思われます。

【結局、大人には注射と点鼻どちらが良い?】

作用の仕方に違いがあります。注射は体の中に抗体を作り「重症化」を防ぐのが得意ですが、点鼻は鼻の粘膜に免疫を作ることで「感染そのもの」を防ぐ効果が高いとされています。

しかし、日本では点鼻ワクチンの対象年齢が2歳以上19歳未満と定められています。この年齢制限や、注射による重症化予防効果に関する豊富なデータが確立されている点を考慮すると、成人の方、特に65歳以上の高齢者や基礎疾患をお持ちの方には、従来通りの注射ワクチンが第一の選択肢となります。そういった理由から、当院では、基本的には注射によるワクチン接種を強く推奨しています。

コロナワクチンとの同時接種について

今シーズンは、コロナワクチンの接種もご検討されている方が多いかと思います。

インフルエンザワクチンとコロナワクチンは、接種間隔に制限はなく、同日に接種することも可能です。当院でも両方のワクチンの同日接種を実施しておりますので、ご希望の方はお気軽にご相談ください。

ワクチンだけじゃない!今日からできる感染対策

ワクチンの効果を最大限に引き出すためにも、日々の感染対策が重要です。

従来の飛沫感染・接触感染対策(手洗い・マスク・手指消毒)に加え、近年は空気中を漂うウイルスを吸い込む「エアロゾル感染」も指摘されています。ウイルスは乾燥した環境を好むため、こまな換気と加湿器などによる湿度管理(50~60%)を心がけましょう。


さいとう内科クリニックでのワクチン接種のご案内

今シーズンの流行に備え、当院では以下の通りワクチン接種を実施いたします。

  • 受付期間929日(月)~1220日(土)
  • 接種期間101日(水)~1224日(水)

【インフルエンザワクチン】

  • 予約方法:院内に設置の予約帳にご記入ください。
    • ※定期的に診察を受けておられる方は、診察時に接種可能です。
  • 接種時間
    • 月・水・金: 15:30 または 19:30
    • 土: 13:30

【コロナワクチン】

  • 予約方法お電話 または 受付窓口にてご予約ください。受付窓口で申し込みされた後すぐに接種することも可能です。
  • 接種時間:診察時間内ならいつでも接種可能です。

料金や公費助成の詳細につきましては、ホームページのお知らせ欄をご確認いただくか、お気軽にお問い合わせください。接種券をお持ちの方は忘れずに持参して下さい。 どのワクチンが良いか迷われている方も、どうぞお気軽にご相談ください。ご自身と大切なご家族を守るために、一緒に冬への備えを始めましょう。

詳細については、こちらのブログもご覧ください。

医療法人社団好也会 さいとう内科クリニック 078-967-0019 ホームページ