【いよいよ警報レベル】インフルエンザ流行が急拡大中（兵庫県神戸市・明石市） 昨季より6週間早く注意報、ワクチン接種と感染対策の徹底を

兵庫県神戸市や明石市にお住まいの皆様に、感染症に関する非常に重要な情報をお知らせします。

神戸新聞NEXTおよび兵庫県からの最新の発表（2025年11月6日）によると、兵庫県内のインフルエンザの流行が「注意報レベル」に達しました。

これは、定点医療機関あたりの患者数が「10人」を超えたことを示すもので、今季の流行は昨季に比べて約6週間も早い異例のスピードで拡大しています。

兵庫県神戸市・明石市の深刻な流行状況

兵庫県感染症発生動向調査週報（2025年第44週：10月27日～11月2日）によれば、県全体の定点あたり患者数は「15.27人」と、前週の5.85人から急増しています。

特に、当院の近隣地域である「あかし保健所管内（明石市）」では、定点あたり「40.36人」を記録しました。これは、流行発生警報の基準である「30人」を大きく上回る、極めて深刻な流行状況です。

また、「神戸市」においても、すでに注意報レベルを超えていることが報告されています 。当院はインフルエンザの定点医療機関ですが、「15人」となっており、前週から急激に増加しています。

報告された患者の約8割（78%）が15歳未満のお子さんで、県内の小中学校では学級閉鎖・学年閉鎖が前週の63件から196件へと急増しており、特に小学校（121件）、中学校（55件）での流行が目立っています。いわゆる学校内での集団感染だと考えられます。

今後は、インフルエンザに罹患したお子さんからその家族への感染、同居している高齢者や基礎疾患を有する方への感染が危惧されており、さらなるインフルエンザ患者数の増加が予想されます。

インフルエンザと風邪の違い

インフルエンザは、普通の風邪とは異なります。

神戸市の情報にもある通り、普通の風邪がのどの痛み、鼻水、咳などが中心であるのに対し、インフルエンザは38度以上の高熱、頭痛、関節痛、筋肉痛といった全身症状が突然現れるのが特徴です。特に、高齢者や基礎疾患がある方は、そういった症状が現れた際に、普通の風邪だと自己判断せず、必ず医療機関を受診するようにしましょう。

流行拡大を防ぐために「今」できること

これ以上の感染拡大を防ぐため、兵庫県神戸市や明石市は以下の対策を強く呼びかけています。

1. ワクチン接種の実施

インフルエンザの予防にはワクチン接種が有効です。例年より早い流行に対応するためにも、まだ接種がお済みでない方は、お早めの接種をご検討ください。特に、高齢者や基礎疾患がある方、受験を控えている方は躊躇することなく接種を行いましょう。

2. 基本的な感染対策の徹底

• マスクの着用: インフルエンザの主な感染経路は飛沫感染です。適切なマスクの着用をお願いします。
• 手洗い: 流水と石鹸による手洗いでウイルスを物理的に除去できます。アルコール製剤による手指衛生も効果的です。
• 換気: 1時間に2回以上（30分に1回、数分間）窓を全開にするなど、定期的な換気を心がけてください。
• 適度な保湿: 空気が乾燥すると、のどの粘膜の防御機能が低下します。加湿器などで湿度50～60％を保ちましょう。

もし、かかってしまったら？

1. 早めの受診を

症状が出た場合は、早めに医療機関を受診してください。抗インフルエンザ薬（ゾフルーザなど）は、発症から48時間以内に服用を開始すると、発熱期間の短縮やウイルスの排出量減少が期待できます。

2. 【特にご注意ください】 お子さんの「異常行動」について

インフルエンザにかかった際、特に発熱から2日間は、小児や未成年者が突然走り出したり、ベランダから飛び降りようとしたりするなどの「異常行動」が報告されています。

これは、抗インフルエンザ薬の服用の有無にかかわらず起こる可能性があります。

お子さんがインフルエンザで自宅療養される場合は、事故防止のため絶対に一人にせず、窓や玄関の施錠を確実に行うよう、厳重にお願いいたします。

さいとう内科クリニックでは、この度の急激なインフルエンザの流行状況を重く受け止め、地域の皆様の健康を守るため、予防接種の実施、および感染が疑われる方の迅速な診断・治療に向けて全力で取り組んでまいります。当院ではコロナ禍も含めてずっと断らない医療をモットーに診療にあたっています。たとえ感染が急拡大したとしても、当院を受診すれば必ず診てもらえるので安心だと思って頂けるよう引き続き頑張ってまいります。

地域の皆様も感染対策を万全にし、この流行期を乗り越えましょう。