- 5月 29, 2025
【子育てママ・パパ、そしてプレママさんへ】今、知っておくべき「百日咳」と「りんご病」のこと – 大切な家族を守るために
さいとう内科クリニック院長の斉藤です。
お子さんの健やかな成長は、ご家族皆さんの願いですよね。しかし今、子どもたちの間で「百日咳」や「りんご病」といった感染症が、かつてない規模で流行しています。
最新データ（2025年5月27日更新、5月12日～18日集計分）では、百日咳の新規感染者数が全国で2299人と過去最多、りんご病も過去10年で最も多い状況です。
今回は、特に小さなお子さんをお持ちのご家庭、そしてお腹に新しい命を育んでいるプレママさんに、ぜひ知っておいてほしい情報をお届けします。
小さなお子さんを「百日咳」から守るために
「コンコン、ケンケン！」夜も眠れないほどの激しい咳…それはもしかしたら百日咳かもしれません。
- 見逃さないで！百日咳のサイン:
- 風邪だと思っていたら、だんだん咳がひどくなってきた。
- 短い咳が連続し（スタッカート）、顔を真っ赤にして咳き込む。
- 咳の後、息を吸うときに「ヒューッ」と笛のような音がする。
- なぜ赤ちゃんは特に危険なの？ 生後6ヶ月未満の赤ちゃん、特にワクチンで免疫がつく前の赤ちゃんは重症化しやすく、呼吸困難や無呼吸発作、けいれんを起こすことも。命の危険もある怖い病気です。
- 最大の予防はワクチンです！ 四種混合ワクチン（DPT-IPV）で予防できます。接種スケジュールを守り、しっかり免疫をつけましょう。ご家族（特に赤ちゃんと接する機会の多い方）も、必要に応じて追加のワクチン接種を検討することが、赤ちゃんを守ることに繋がります。
ママ・パパも注意！そしてプレママさんには特に知ってほしい「りんご病」
「うちの子、ほっぺが赤いだけだから大丈夫？」…本当にそうでしょうか？そして、そのウイルスが大人、特に妊婦さんに感染したら…？
- 「子どものりんご病」と「大人のりんご病」はこんなに違う！
- お子さんの場合: 頬がリンゴのように赤くなり、手足にレース状の発疹。多くは軽症で済みます。発疹が出る前の風邪様症状の時期に感染力が強く、発疹が出れば感染力はほぼありません。
- 大人の場合: 頬の赤みは少ないか出ないことも。代わりにつらい関節痛（手足の指、手首、膝など）、発熱、だるさ、筋肉痛、あざのような紫斑が出ることがあります。症状が長引くこともあり、「ただの疲れ」「関節炎？」と見過ごされがちです。
【プレママさんへ】りんご病ウイルスが、お腹の赤ちゃんに影響することがあります。
妊娠中にママがりんご病に感染すると、ウイルスが赤ちゃんに移行し、「胎児水腫」という深刻な状態や、残念ながら流産に至ってしまう可能性が報告されています（ある調査では胎児死亡率10.2%）。
- 感染予防のために: 流行期は人混みを避け、手洗いを徹底しましょう。上のお子さんがいる場合は、その子の感染予防にも気を配りましょう。周囲の方も、妊婦さんが近くにいる場合は配慮が必要です。
- もし「感染したかも？」と思ったら: すぐに産婦人科医にご相談ください。
家族みんなでできること
- 基本はやっぱり手洗い＆咳エチケット: 外から帰ったら、食事の前には必ず手洗い。咳やくしゃみは、ティッシュや腕でカバー。
- 体調が悪いときは無理しない: 早めに休養し、周囲への感染拡大を防ぎましょう。
- 「あれ？」と思ったら、早めに相談を: 自己判断せず、かかりつけ医に相談することが大切です。
さいとう内科クリニックは、お子さんやご家族の皆さんの健康を心から願っています。ワクチン接種のご相談や、気になる症状があれば、どんなことでもお気軽にお声がけください。一緒に大切な家族を守っていきましょう。