- 8月 26, 2025
「風邪と間違えやすい!神戸市西区で流行中のRSウイルス感染症、大人も注意すべき症状とは?」

さいとう内科クリニックの院長、斉藤です。
今回は、RSウイルス感染症について、疫学から臨床症状、治療、そして予防法に至るまで、より専門的な視点から詳しく解説します。乳幼児だけでなく、あらゆる年齢層に影響を与えるこの病気について、正しい知識を身につけましょう。
RSウイルス感染症の疫学と病原体

RSウイルス感染症は世界中で見られ、特に幼い乳幼児に大きな影響を与えます。温帯地域では通常、冬から初春にかけて流行のピークを迎えますが、近年では流行時期に変化が見られることもあります。
RSウイルスは、エンベロープを持つRNAウイルスで、A型とB型に分類されます。一般的にA型の方が重症化しやすいとされています。このウイルスは、熱や消毒剤に弱い一方で、家族内などでの感染伝播力が非常に高いことが特徴です。
臨床症状と重症化リスク
RSウイルスの初感染では、軽症の風邪から重い細気管支炎や肺炎まで、幅広い症状が見られます。特に生後数週間から数か月の乳児は重症化するリスクが最も高く、低出生体重児や心肺に基礎疾患がある場合は、さらにそのリスクが高まります。
生後4週未満の乳児では、呼吸器症状がない非典型的な症状が出ることがあり、突然の無呼吸発作につながる危険性があるため、特に注意が必要です。
再感染は生涯にわたって起こりますが、多くは軽症の風邪で済みます。しかし、感染した子どもを看病する保護者や医療スタッフ、また高齢者では、重症化して気管支炎や肺炎を起こすことがあります。
治療と予防

RSウイルス感染症に特効薬はなく、治療は酸素投与や輸液、呼吸管理といった対症療法が中心となります。重症患者に対しては、リバビリンという吸入薬が用いられることもありますが、その適応は限定的です。
予防に関しては、ワクチン開発が長年進められてきましたが、現在利用できる予防法は以下の通りです。
- モノクローナル抗体製剤(パリビズマブ): 早産児や心臓・肺に基礎疾患がある乳幼児など、特定のハイリスク児に対して、流行期に定期的に筋肉注射することで重症化を予防します。
- ワクチン: 現在、高齢者向けや妊婦さん向けのワクチンも登場しており、今後の普及が期待されています。
また、感染予防には、こまめな手洗いや、ウイルスに汚染された表面への接触を避ける接触感染予防策が最も重要です。
さいとう内科クリニックからのお願い

RSウイルスは、乳幼児の健康を脅かすだけでなく、大人にとっても注意すべき感染症です。ご家族に症状が出た場合は、早めに医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けることが大切です。特に、重症化リスクの高い乳幼児や高齢者の身近にいる方は、感染対策を徹底してください。