• 4月 7, 2026

なぜ私の便秘は治らないのか?「運動・水分・食物繊維」でもダメな人が見落としている盲点

こんにちは。神戸市西区のさいとう内科クリニック院長の斉藤雅也です。

「毎日2リットルの水を飲んでいるのに…」

「野菜中心の食事にして、毎朝ウォーキングもしているのに、なぜかスッキリ出ない」

外来でお話を伺っていると、便秘を治すためにものすごく努力をされているのに、全く報われず苦しんでいる患者様に多く出会います。

世間一般で言われる「水分・食物繊維・運動」は確かに便秘解消の基本です。しかし、これらを「ただやみくもに実践するだけ」では、かえって便秘を悪化させてしまうことがあります。

今回は、消化器病専門医の視点から、頑張っているのになかなか便秘が治らない方が陥りがちな「4つの盲点」について、深く掘り下げてお伝えします。


■盲点1:「水分の摂り方」と「飲み物の種類」を間違えている

「1日2リットル飲んでいます」という方に詳しくお聞きすると、落とし穴が見えてくることが多々あります。

一気飲みは「尿」になるだけ

一度に大量の水をガブ飲みしても、腸を潤す前に胃や腎臓を通過して、すぐに尿として排出されてしまいます。便をやわらかくするためには、「コップ1杯の常温の水を、こまめに(1日8〜10回などに分けて)飲む」ことが鉄則です。特に、起床時と毎食前の1杯は胃結腸反射(腸の動きを促すスイッチ)を刺激するため非常に効果的です。

「紅茶」や「コーヒー」、「アルコール」は水分補給に入らない

紅茶やコーヒーなどカフェインを含む飲み物やアルコールには「利尿作用」があります。飲んだ量以上の水分を体外に出そうとしてしまうため、腸の中はかえってカラカラの水分不足に陥り、便が硬くなってしまいます。

盲点2:良かれと思った「食物繊維」が腸を詰まらせている

「便秘には食物繊維!」と、サラダや根菜を山のように食べていませんか?実は、食物繊維の「種類とバランス」を間違えると、便秘はさらに悪化します。

食物繊維には2種類あります。

不溶性食物繊維(便の「カサ」を増やす)

ゴボウ、キャベツ、玄米、豆類など。水分を吸って膨らみ、腸を刺激します。

水溶性食物繊維(便に「潤い」を与える)

海藻類(わかめ、めかぶ)、オクラ、なめこ、キウイ、りんごなど。水に溶けてゼリー状になり、便をツルンと滑りやすくします。

【要注意】不溶性ばかりを食べているケース

便秘ですでに腸の動きが鈍くなっている状態で、ゴボウやキャベツなどの「不溶性食物繊維」ばかりを大量に食べるとどうなるでしょうか。腸の中で便がカチカチの巨大な岩のように固まってしまい、完全にフタをしてしまいます。

便秘で苦しい時こそ、「水溶性食物繊維」を意識して多めに摂ることが、スムーズな排便の最大のカギです。

盲点3:自分の「便秘のタイプ」を誤解している

便秘にはいくつかの種類があり、そのタイプによって正解の対処法が真逆になります。

腸管運動機能低下型(弛緩性便秘)

腸の動きがだらんと弱っている状態。高齢者や運動不足の方に多く、この場合は適度な運動や不溶性食物繊維の刺激が有効です。

けいれん性便秘(ストレス過多)

自律神経の乱れにより、腸が過剰に緊張してギュッと縮こまっている状態。ウサギのフンのようなコロコロ便が出ます。このタイプの方が、無理に腸を刺激する下剤を飲んだり、不溶性食物繊維を大量に摂ったりすると、腸がさらにけいれんして腹痛や便秘が悪化します。

「運動も食事も完璧なのに出ない」というビジネスパーソンや若い女性の多くは、ストレスによる「けいれん性便秘」の傾向があります。この場合に必要なのは、腸への刺激ではなく「自律神経のリラックス」と「十分な睡眠」です。

盲点4:薬の副作用や、病気が隠れている(器質性・薬剤性便秘)

生活習慣をどれだけ完璧にしても治らない場合、医療の介入が必要なケースがあります。

薬剤性便秘

普段飲んでいる薬(降圧剤、抗うつ薬、アレルギー薬、鉄剤など)の副作用で腸の動きが止まっていることがあります。

器質性便秘

大腸がんやポリープ、腸の癒着などが物理的に便の通り道を塞いでいる状態です。血便や急な体重減少を伴う場合は、すぐに大腸カメラ検査が必要です。


■専門医からの提案:便秘を根本から手放すために         

もしあなたが、さまざまな努力をしても便秘が解消されないのであれば、それは「あなたの努力不足」ではなく、「アプローチの方向」が少しズレているだけです。

当院では、患者様一人ひとりの「便の形状(コロコロなのか、硬い太い便なのか)」や「生活背景」を丁寧に紐解き、タイプに合わせた適切なアプローチをご提案しています。例えば、お腹が痛くなりにくく便に水分を含ませる「酸化マグネシウム」などのお薬を適切に使いながら、自然な排便リズムを取り戻すサポートを行っています。


■お知らせ:新しい「腸活」の選択肢について

日々便通の悩みを抱える患者様と向き合う中で、医療による治療だけでなく、日々の食生活から健やかなリズムを整える大切さを痛感してまいりました。

現在、便通異常に関するお薬が次々と出荷停止や出荷調整となっており、便通異常で悩まれている方々にとって、つらい日々が続いています。便通異常で悩まれている方々からの強い要望があり、そして、消化器の健康を見つめてきた経験を活かし、毎日のスッキリを内側から補う当院オリジナルのサプリメントを準備しております。5月頃には詳細をお知らせできる予定ですので、健やかな毎日を目指す一助としてご期待いただければ幸いです。

たかが便秘、されど便秘です。「体質だから」と諦めず、まずは一度、診察室であなたの腸のSOSをお聞かせください。適切な診断とケアを通じて、心地よい毎日を一緒に目指していきましょう。

医療法人社団好也会 さいとう内科クリニック
医療法人社団好也会 さいとう内科クリニック 外観
院長
斉藤 雅也
診療内容
内科・消化器科
住所
〒651-2412
兵庫県神戸市西区竜が岡1-15-3(駐車場18台あり)
(旧:森岡内科医院)
電話
078-967-0019
携帯
080-7097-5109
電車
JR山陽本線「魚住駅」から車で約9分
JR山陽本線「大久保駅」から神姫バス天郷停留所(約11分)下車、徒歩5分
第二神明道路大久保インターから約1分
駐車場
駐車場18台完備!
アクセス
当院は神戸市西区と明石市の境界付近に位置しており、明石市からも徒歩圏内です。実際に、明石市方面からも多くの患者様(肝臓病・一般内科)にご来院いただいております。駐車場も完備しておりますので、お車での通院も便利です。風邪や生活習慣病など、かかりつけ医としてお気軽にご利用ください。