- 2月 24, 2025
- 2月 26, 2025
エコーとCTどちらが正確?

医療現場では、さまざまな画像診断技術が活用されています。特に、超音波検査(エコー)とCT(コンピューター断層撮影)は一般的に使用される検査方法です。これらの検査のどちらがより正確なのかについて、多くの患者や医療関係者が関心を持っています。本記事では、エコーとCTの特性、精度、用途、利点・欠点を比較し、どちらがより正確なのかを検証します。
1.エコー(超音波検査)とは

- 高周波の音波を利用し、体内の臓器や血流をリアルタイムで観察する検査法
- 主に腹部・心臓・血管・筋骨格系などの診断に使用される
- 非侵襲的で放射線を使用しないため、安全性が高い
エコーの特徴
- リアルタイム観察:臓器の動きや血流を即座に確認できる
- 非侵襲的・低コスト:痛みや放射線被曝がなく、比較的安価
- 携帯性:小型機器でどこでも実施可能(ベッドサイド診断に適している)
- 骨や空気を通しにくい:骨や腸管のガスがあると観察が難しい
2.CT(コンピューター断層撮影)とは

- X線を用いて、体の断面画像を取得する診断技術
- 高解像度な画像を提供し、特に骨や肺、血管などの診断に優れている
CTの特徴
- 高解像度の画像:ミリ単位の病変まで検出可能
- 短時間で広範囲を撮影:わずか数秒~数分で全身スキャンが可能
- 三次元再構成が可能:複数の角度から臓器を詳細に評価できる
- 放射線被曝のリスク:X線を使用するため、被曝量を考慮する必要がある
3.エコーとCTの精度比較
臓器ごとの比較
使用部位 | エコー | CT |
---|---|---|
脳 | ほぼ使用不可 | ○(脳出血、腫瘍の発見に有用) |
肺 | ×(空気が影響) | ◎(肺炎、肺がん、気胸の診断に優れる) |
腹部 | ○(肝臓・胆嚢・腎臓・膵臓の評価に適している) | ◎(腫瘍や炎症の正確な診断に有用) |
心臓 | ◎(リアルタイムで動きを観察可能) | △(冠動脈CTは有用だが、心臓の動きは捉えにくい) |
血管 | ◎(動脈硬化・血栓の評価が可能) | ○(血管の狭窄や動脈瘤の検出に適する) |
骨 | ×(骨の評価には不向き) | ◎(骨折・腫瘍の診断に優れる) |
4.どちらを選ぶべきか?
エコーが適している場合
- 妊婦や小児など、放射線被曝を避けるべきケース
- 心臓や血流の動態をリアルタイムで観察したい場合
- ベッドサイドや救急で迅速な診断が必要な場合
CTが適している場合
- 骨折や肺の疾患、脳卒中など、詳細な画像が必要な場合
- 正確な三次元解析が求められる場合
- がんの診断やステージング(進行度の確認)
5.まとめ
エコーの特徴
エコーはリアルタイムで動態観察が可能な診断技術です。非侵襲的で低コストという利点がありますが、空気や骨の影響を受けやすいという課題もあります。
CTの特徴
CTは高解像度で詳細な画像を取得できるのが特徴です。広範囲の診断を短時間で行うことができますが、放射線被曝のリスクが伴います。
精度の比較

エコーの精度はエコー機器の質と、検査医のスキルによるものが大きいです。当院のように、質の高いエコー機器を用いて、超音波専門医が行うエコーの精度と、CTの精度を比べると、エコーの方が得られる情報が多いため、エコーの方が優れています。
エコーとCTをうまく組み合わせて行うことにより、より高い精度が得られるため、適宜、併用して行うことが望ましいと考えられています。