- 8月 27, 2026
高齢者に多い「薬が引き起こす便秘」— 薬剤性便秘の原因薬リストと解消法を消化器病専門医が解説

こんにちは。
神戸市西区のさいとう内科クリニック院長の斉藤雅也です。
「薬を飲み始めてから便秘になった」
「年をとってから便秘がひどい」
こんなお悩みを持つ患者さん、特に60代以上の方に多くお見受けします。ある種の薬には、副作用として便秘を引き起こすものがあります。今回は「薬剤性便秘」について詳しく解説します。
■ 薬剤性便秘とは?高齢者に多い理由

薬剤性便秘とは、服用している薬の副作用として便通が悪くなる状態です。高齢者に多い理由は以下の3点が重なることが多いためです。
・① 複数の薬を同時に服用(多剤併用:ポリファーマシー)していることが多い
・② 加齢に伴い腸の運動機能自体が低下している
・③ 水分摂取量が少ない傾向にある
日本では65歳以上の方の便秘有病率は35〜40%とされており、その一因として薬剤性便秘が挙げられています(日本消化器病学会ガイドライン2023年版)。自分の便秘が薬の副作用かもしれないと疑うことが、解決への第一歩です。
■ 便秘を引き起こしやすい薬のリスト

便秘の副作用が知られている主な薬は以下の通りです。
・① 消化管の動きを抑える薬: 抗コリン薬(過活動膀胱の薬・花粉症薬・鎮痙薬)、オピオイド系鎮痛剤(コデイン・モルヒネ)
・② カルシウム拮抗薬(高血圧薬の一部)
・③ 制酸剤(アルミニウム含有)
・④ 抗うつ薬(三環系)、抗精神病薬、パーキンソン病の薬の一部
・⑤ その他: 鉄剤、抗ヒスタミン薬、利尿薬
特に「お腹が動く薬」の量が減って「腸を止める薬」が増えると便秘が一気にひどくなります。複数の診療科から処方を受けている場合は、全ての薬をリストアップして主治医に確認することをお勧めします。
■ 主治医に相談するときのポイント

薬剤性便秘が疑われる場合、絶対にやってはいけないのが「自己判断で薬をやめる」ことです。特に降圧薬・抗凝固薬・抗うつ薬などは急に中止すると危険な場合があります。
主治医への相談ポイントは以下の3点です。
- 「いつから便秘が始まったか?」を明確にする
- 飲んでいる薬を全部リスト化して持参する
- 「便秘以外に体調の変化はないか?」も合わせて伝える
医師は薬の変更・用量調整・便秘薬の追加などで対応できます。薬を変えずに便秘薬を追加する場合も、腸への影響が少ない浸透圧性下剤が第一選択となることが多いです。
■ 薬に頼らずできる腸活 — 高齢者でも安全な方法

薬の調整と並行して、生活習慣でも改善できます。高齢者に特にお勧めの方法は以下の通りです。
・① 食物繊維の補給: 硬いものが食べにくい場合は、とろろ・バナナ・りんごのすりおろしなど柔らかくて食物繊維が多い食品を活用する。
・② 水分補給: 1日1〜1.5リットルが目標。朝起きてすぐコップ1杯の白湯が特に有効。
・③ 腹部マッサージ: 大腸の走行に沿って時計回りに優しくマッサージする。
・④ 椅子に座ったままできる軽体操: 足踏み・腹圧をかけるスクワット(手すりを使って行う)。
・⑤ 規則的なトイレ習慣: 朝食後15〜30分後にトイレへ行く習慣をつける。
■ よくあるご質問

Q: 高血圧の薬(カルシウム拮抗薬)を飲み始めてから便秘になりました。薬をやめていいですか?
A: 自己判断での降圧薬の中止は、脳卒中・心筋梗塞のリスクがあるため絶対に行わないでください。まずは処方した医師に「便秘が出現した」ことを伝え、薬の種類の変更や便秘薬の追加を相談してください。同じ高血圧でも便秘を起こしにくい薬に変更できる場合があります。
Q: 鉄剤を飲み始めたら便が黒くなり、便秘も出てきました。飲み続けていいですか?
A: 鉄剤による便の黒色変化と便秘は非常によくある副作用です。鉄剤を中止すると貧血が悪化するため、自己中断は避けてください。酸化マグネシウムなどの便秘薬を鉄剤と一緒に処方してもらうことで、便秘を緩和できます。ただし、タール便(出血)との区別が重要です。鉄剤を内服薬から注射薬に切り替えることで、便の黒色変化や便秘が落ち着く可能性があるため、消化器内科にご相談ください。
Q: 便秘が長期化しています。内視鏡検査は必要ですか?
A: 3ヶ月以上続く慢性便秘、特に血便・体重減少・貧血を伴う場合は大腸内視鏡検査(大腸カメラ)が強く推奨されます。大腸がん・大腸ポリープ・炎症性腸疾患など、便秘の原因となる病気を排除するために必要な検査です。当院では腹部エコーで腸の状態を確認いたします。大腸カメラ等が必要な場合は分院のたなか内科クリニックと連携してスムーズに受けていただけるようご案内いたします。
■ まずは、さいとう内科クリニックにご相談ください

さいとう内科クリニックでは、複数の薬を服用されている高齢者の方の便秘相談に対応しています。腹部エコーで腸の状態を確認しながら、薬との相互作用も考慮した適切な治療を提案します。大腸カメラ等の精密検査が必要な場合は分院のたなか内科クリニックと緊密に連携して対応いたしますので、神戸市西区・明石市からも安心してお気軽にご来院ください。
- 院長
- 斉藤 雅也
- 診療内容
- 内科・消化器内科
- 住所
- 〒651-2412
兵庫県神戸市西区竜が岡1-15-3(駐車場18台あり)
(旧:森岡内科医院) - 電話
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- 駐車場18台完備!
- アクセス
- 当院は神戸市西区と明石市の境界付近に位置しており、明石市からも徒歩圏内です。実際に、明石市方面からも多くの患者様(肝臓病・一般内科)にご来院いただいております。駐車場も完備しておりますので、お車での通院も便利です。風邪や生活習慣病など、かかりつけ医としてお気軽にご利用ください。
