• 9月 26, 2026

女性はなぜ便秘になりやすい~ホルモン、骨盤底筋、ダイエットとの意外な関係を消化器病専門医が解説

こんにちは。

神戸市西区のさいとう内科クリニック院長の斉藤雅也です。

便秘に悩む方の多くは女性です。厚生労働省の調査によると、20~40代では女性の便秘有訴率が男性の2~3倍に達します。

なぜ女性は便秘になりやすいのでしょうか。今回はホルモン、骨盤底筋、ダイエットという3つの視点から、女性特有の便秘のメカニズムと対策を解説します。

■1. 女性の便秘の最大の原因:女性ホルモンの波

女性ホルモン、プロゲステロン(黄体ホルモン)は腸の蠕動運動を抑制する作用があります。生理前(黄体期)に分泌が増えると、腸の動きが緩慢になり便秘になりやすくなります。これが生理前に便秘になる、生理が来ると急に下痢になる、というサイクルを引き起こす原因です。

また、妊娠中もプロゲステロンが高い状態が続くため、便秘が慢性化しやすくなります。さらに妊娠後期には大きくなった子宮が腸を圧迫し、便秘が深刻になることがあります。

■2. 骨盤底筋の弱化が排便を妨げる

骨盤底筋は子宮、膀胱、直腸を支える筋肉群です。出産、加齢、運動不足によって弱化すると直腸瘤(ちょくちょうりゅう)、直腸が膣側に向かって袋状に突き出す状態が起きることがあります。直腸瘤があると、排便時に便が正常に出口へ向かわず袋の中に迷い込み、何度いきんでも便が出ない、残便感がある、という症状につながります。

骨盤底筋を鍛える骨盤底筋トレーニング(ケーゲル体操)は、排便障害の改善に効果的です。肛門、膣をキュッと締める動作を1回5~10秒、1日10~15回繰り返すことを習慣にしましょう。

■3. ダイエットと便秘の深い関係

食事量を減らすと便のもとになる食物残渣(ざんさ)が少なくなり、便秘になりやすくなります。特に炭水化物を極端に制限する糖質制限ダイエットでは、食物繊維の摂取量も減るため腸内細菌のエサが不足します。

また、極端なカロリー制限は腸内細菌叢(腸内フローラ)のバランスを乱し、慢性的な便秘、腹部不快感、肌荒れの原因になることが研究で示されています。痩せたいけれど便秘がひどくなった、という場合、食事の内容を見直すことが先決です。

■4. 女性の便秘改善のための実践的アドバイス

  • 食物繊維は1日20~25グラムを目標とし、野菜、豆類、海藻、きのこを積極的に摂取しましょう。
  • 水分は1日1.5~2リットルを目標とし、朝の1杯の水が胃結腸反射を促しましょう。
  • 発酵食品としてのヨーグルト、みそ、キムチで善玉菌を増やしましょう。
  • 生理前は特に意識的に水分、食物繊維を増やしましょう。
  • 過度なダイエットを避け、必要カロリーと栄養素を確保しましょう。

■5. よくあるご質問

Q. 生理前の便秘は仕方ないのでしょうか。

A. 生理周期による便秘は生理的なものですが、生活習慣の改善で症状を和らげることは十分可能です。症状がひどい場合は漢方薬や薬で対処することもできます。

Q. 妊娠中の便秘薬は安全ですか。

A. 酸化マグネシウムは比較的安全とされています。ただし、自己判断で刺激性下剤(センナ等)を使用することは避け、必ずかかりつけ医に相談してください。

Q. 骨盤底筋トレーニングはいつ効果が出ますか。

A. 個人差がありますが、継続的に行えば2~3か月で排便障害の改善を感じる方が多いです。尿漏れの改善にも効果があります。

■まとめ

女性の便秘は、女性ホルモンの変動、妊娠・出産や加齢に伴う骨盤周辺の変化、食事量や水分量の不足、運動不足、便意を我慢する習慣など、複数の要因が重なって起こります。原因を一つに決めつけず、自分自身の月経周期や生活リズム、便の硬さ、排便時の困りごとを振り返ることが、改善の第一歩です。

まずは、食事を極端に減らさず、野菜・豆類・海藻・きのこなどから食物繊維を無理なく取り入れ、十分な水分を確保しましょう。朝食後など腸が動きやすい時間にトイレへ行く習慣をつくり、便意を我慢しないことも大切です。ウォーキングやストレッチ、骨盤底筋トレーニングは、続けやすい回数から無理のないように始めてください。月経前など便秘になりやすい時期を把握しておくと、早めに対策しやすくなります。

生活習慣を見直しても改善しない場合や、強い腹痛、吐き気、血便、急な便通の変化、体重減少などがある場合は、自己判断で済ませず消化器病専門医に相談しましょう。便秘のタイプや背景は一人ひとり異なるため、症状に合った方法を選ぶことが、無理なく安定した排便リズムを取り戻す近道です。

神戸市西区、明石市近郊にお住まいの方を含め、女性の便秘でお悩みの方はお気軽に当院までご相談ください。

医療法人社団好也会 さいとう内科クリニック
医療法人社団好也会 さいとう内科クリニック 外観
院長
斉藤 雅也
診療内容
内科・消化器内科
住所
〒651-2412
兵庫県神戸市西区竜が岡1-15-3(駐車場18台あり)
(旧:森岡内科医院)
電話
078-967-0019
携帯
080-7097-5109
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当院は神戸市西区と明石市の境界付近に位置しており、明石市からも徒歩圏内です。実際に、明石市方面からも多くの患者様(肝臓病・一般内科)にご来院いただいております。駐車場も完備しておりますので、お車での通院も便利です。風邪や生活習慣病など、かかりつけ医としてお気軽にご利用ください。