- 3月 17, 2018
- 10月 6, 2025
膵臓がんのお話
少しずつ暖かくなってきましたね。皆様体調はいかがでしょうか。
今回は膵臓がんのお話です。
膵臓がんになったらもう余命幾ばくしかないとか、非常に意気消沈するような情報があふれています。
では、膵臓がんになりやすい人はいったいどんな人でしょうか?
それは祖父母、父母、兄弟に膵臓がんになった人がいるかどうか、いわば膵臓がんの家族歴があるかどうかが重要と報告されています。
それ以外に、糖尿病、糖尿病予備群になっているか、喫煙、飲酒歴があるかどうかが重要とされています。
膵臓がんの家族歴があり、かつ糖尿病や飲酒、喫煙歴があれば膵臓がんになるリスクはさらに高まります。
そういったリスクの高い人に焦点を当てて精査できれば膵臓がんの早期発見につながる可能性が示唆されています。
超音波内視鏡検査が膵臓がんの早期発見における唯一の検査方法といった記事が多く見られます。
しかし、いきなり超音波内視鏡検査で膵臓がんを精査しようと考えるのはハードルが高いし、検査できる施設が限られていることから、現時点では一般的ではないと思われます。
やはり、まずは腹部エコー検査で調べるのがベターと考えます。
最新の腹部エコー検査機器は画質が非常にきれいですし、あとは、膵臓を観察する際にひと工夫すれば、多くの場合で膵臓をきれいに描出することが可能です。
膵臓を肝臓の背側に描出し、腸管ガスをプロ-ベによる圧迫で外し、患者さんの体の向きを変えたり、息を吸ったり、場合によっては少し息を吐いて頂き、膵臓の位置を調整することで、ほとんどの患者さんで膵臓の大部分を描出することができるようになります。
まずは腹部エコー検査を行い、膵臓の描出がどうしても難しかったり、膵臓がんが疑わしければ、引き続いて他の検査を選択するのが望ましいと思います。
血液検査での腫瘍マーカー測定は、あくまでも画像検査で膵臓がんが疑われたときに、膵臓がんの可能性が本当に高いのかどうかを再確認するためのものという位置づけだと考えられます。
よって腫瘍マーカーだけではあまり意味がないでしょう。
以上より、まずは腹部エコー検査での精査が役に立つと思います。
参考にして頂けましたら嬉しいです。
- 院長
- 斉藤 雅也
- 診療内容
- 内科・消化器科
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