• 9月 1, 2026

夏の食中毒と腸 — カンピロバクター・O157の症状・治療と消化器内科での正しい対処法

こんにちは。

神戸市西区のさいとう内科クリニック院長の斉藤雅也です。

毎年7〜9月は食中毒の最多発時期です。「下痢が続いているが市販薬でいいか」「血便が出た」と当院に駆け込まれる患者さんも多くいらっしゃいます。食中毒の種類によって治療法は大きく異なり、特にO157感染症は「下痢止めを飲んではいけない」という特殊な注意が必要です。今回は夏の食中毒について詳しく解説します。

■ 夏に多い食中毒の原因菌トップ3と感染経路

夏の食中毒で特に多い原因菌は以下の通りです。

カンピロバクター

鶏肉の生食・半生(鶏刺し・鶏わさ)が主な感染源です。日本で最も多い細菌性食中毒の原因菌で、少量(数百個)の菌でも感染が成立します。潜伏期間は2〜5日と長いのが特徴です。

腸管出血性大腸菌(O157・O111など)

牛肉の生食・加熱不足、野菜の汚染水などが主な感染源です。ベロ毒素を産生し、重症化すると溶血性尿毒症症候群(HUS)を引き起こします。

サルモネラ菌

卵・鶏肉・ペット(亀など)が主な感染源です。潜伏期間は6〜48時間と比較的短いのが特徴です。

全てに共通する感染予防のための鉄則は「75℃・1分以上の加熱」「手洗い」「食品の適切な保管」「調理器具の洗浄・消毒」です。

■ O157感染症で「下痢止め」を飲んではいけない理由

腸管出血性大腸菌(O157)感染症で最も重要な注意点は「下痢止め薬(ロペラミド・正露丸など)を飲んではいけない」ということです。O157はベロ毒素(志賀毒素)を産生しますが、下痢止めで腸の動きを抑えると毒素が腸内に留まり、吸収量が増加してしまいます。これにより、溶血性尿毒症症候群(HUS:腎不全・脳症・血小板減少を引き起こす重篤な合併症)のリスクが高まります。

O157の症状:最初は水様便→血便(新鮮血・粘血)→腹痛(しぼり痛み)→発熱(あるが高くないこともある)。血便が出た場合は即座に消化器内科または救急受診が必要です。

食中毒と機能性下痢の見分け方 — 自己判断で危険な4つのサイン

食中毒かどうかを判断するポイントと、病院へ急ぐべき4つのサインは以下の通りです。

① 血便・粘血便が出た: O157・カンピロバクター・アメーバ赤痢などの感染症。

② 38.5℃以上の高熱を伴う下痢: 感染性腸炎の可能性。

③ 激しい腹痛(しぼり痛み): O157・急性腸炎。

④ 脱水症状(立ちくらみ・尿が出ない・口唇が乾く): 特に高齢者・小児は急速に重症化。

逆に、発熱がなく・血便がなく・軽い腹痛と水様便のみであれば、経口補水液での水分補給と安静で経過を見ることもできます。ただし、2〜3日で改善しない場合は受診が必要です。

消化器内科での食中毒の診断・治療

消化器内科では、食中毒が疑われる場合に以下の検査を行います。

  1. 便培養検査(原因菌の特定)
  2. 血液検査(炎症・腎機能・貧血の確認)
  3. 腹部エコー検査(腸管壁の炎症・腹水の確認)

治療方針は原因菌によって異なります。カンピロバクターには抗菌薬(アジスロマイシン・ニューキノロン系)が有効ですが、重症でなければ自然軽快することも多いです。O157には抗菌薬の使用が議論されており(HUS誘発リスクの観点から)、輸液・安静が基本です。適切な輸液補充で脱水を予防できます。

よくあるご質問

Q: 食中毒かもしれないのですが、市販の整腸剤を飲んでいいですか?

A: 血便がなく、発熱も軽度(37.5℃以下)であれば、経口補水液での水分補給と整腸剤(ビオフェルミン・ミヤBMなど)の服用は問題ありません。ただし、下痢止め薬(ロペラミド含有製品)は感染性腸炎では使わないことが原則です。血便・高熱・激しい腹痛があれば市販薬は避けて、すぐに受診してください。

Q: 夏に海外旅行に行くと必ず下痢になります。予防法はありますか?

A: 旅行者下痢(トラベラーズダイアレア)の予防には、①生水・氷を避ける、②生の野菜・果物は皮をむく、③屋台食品は十分加熱されたものだけ食べる、④手洗い・消毒を徹底する、が基本です。旅行前に消化器内科に相談すると、必要に応じた経口補水剤の持参方法などについてアドバイスを受けることができます。

Q: 食中毒にかかった後、腸の調子が戻るのにどれくらいかかりますか?

A: 食中毒後の腸内環境の回復には通常2〜4週間かかります。腸管の粘膜が炎症を起こすため、しばらくは下痢・腹部不快感が続くことがあります。発酵食品(ヨーグルト・味噌)と食物繊維を積極的に摂り、腸内フローラの回復を助けることが大切です。2週間以上症状が続く場合は、感染後IBSの可能性があるため消化器内科への受診をお勧めします。

まずは、さいとう内科クリニックにご相談ください

さいとう内科クリニックでは、夏の食中毒・感染性腸炎に対して、血液検査・便培養検査・腹部エコー検査・輸液(点滴)対応を行っています。「下痢が3日以上続く」「血便が出た」「食後から急に激しい腹痛と下痢が始まった」という方は、神戸市西区・明石市近郊からアクセス便利な当院にお早めにご相談ください。

医療法人社団好也会 さいとう内科クリニック
医療法人社団好也会 さいとう内科クリニック 外観
院長
斉藤 雅也
診療内容
内科・消化器内科
住所
〒651-2412
兵庫県神戸市西区竜が岡1-15-3(駐車場18台あり)
(旧:森岡内科医院)
電話
078-967-0019
携帯
080-7097-5109
電車
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当院は神戸市西区と明石市の境界付近に位置しており、明石市からも徒歩圏内です。実際に、明石市方面からも多くの患者様(肝臓病・一般内科)にご来院いただいております。駐車場も完備しておりますので、お車での通院も便利です。風邪や生活習慣病など、かかりつけ医としてお気軽にご利用ください。