• 9月 19, 2026

ストレスでお腹が痛くなるのはなぜ?過敏性腸症候群(IBS)と腸脳相関の深い関係を消化器病専門医が解説

こんにちは。

神戸市西区のさいとう内科クリニック院長の斉藤雅也です。

試験や大事な仕事の前になるとお腹が痛くなる、緊張するとトイレに駆け込みたくなる、こうした経験をしたことはありませんか。

これは過敏性腸症候群(IBS)とストレスの深い関係を象徴するものです。今回は腸脳軸というキーワードをもとに、IBSとストレスの関係をわかりやすく解説します。

■1. 腸は第2の脳とはどういう意味か

腸には約1億個の神経細胞が存在しており、脳からの指令がなくても腸が独自に機能することから、腸は第2の脳と呼ばれます。腸と脳は腸脳軸(gut-brain axis)と呼ばれる双方向の神経、ホルモン、免疫ネットワークで密接につながっています。

脳がストレスを感じると、その信号が腸に伝わり腸の動きが乱れます。逆に、腸の炎症や便秘、下痢といった不調が脳のストレス、不安、うつ気分を引き起こすこともあります。これを腸脳相関と呼び、IBSの発症、悪化に深く関係しています。

■2. 自律神経の乱れが腸に与える影響

自律神経は交感神経(緊張、ストレス時に働く)と副交感神経(リラックス時に働く)に分かれており、腸の動きを調節しています。ストレスが続くと交感神経が優位になり、腸の血流が減少、蠕動運動が乱れて便秘や下痢、腹痛、腹部膨満感が起きやすくなります。

また、IBSの患者さんは腸の神経が過敏になっており(内臓知覚過敏)、少しの刺激でも強い腹痛を感じやすい状態にあります。これは腸が傷ついているのではなく、腸の感覚が過敏になっている状態です。

■3. IBSのストレス管理 具体的な生活習慣

忙しい日々の中での緊張や精神的負荷を耐え忍んだり、そういった状況から目を背けてやり過ごしたりしていると、潜在的ストレスが日に日に蓄積していきます。

自分自身が置かれている環境を見つめ直して、週に1回は生活習慣を振り返ってみる必要があります。ストレスを溜め込みすぎないような適切な生活習慣になっているかどうか、以下の項目を参考にしてみてください。

  • 睡眠の質の改善:睡眠不足は自律神経のバランスを乱し、腸の過敏性を高めます。毎日同じ時間に寝起きし、7~8時間の睡眠を確保しましょう。
  • 適度な運動:ウォーキング、ヨガ、水泳などの有酸素運動は、副交感神経を活性化し腸の緊張を和らげます。週3回以上、1回あたり30分程度が目安です。
  • 腹式呼吸とマインドフルネス:深呼吸は副交感神経を優位にし、腸の緊張を緩めます。今この瞬間に集中するマインドフルネス瞑想は、IBS症状の軽減に効果があることがエビデンスで示されています。
  • 規則正しい食事:不規則な食事は腸のリズムを乱します。毎日同じ時間に食事をとり、腸に規則正しいリズムを与えることが大切です。

■4. 薬物療法 ストレス性IBSには何が効く

ストレス性のIBSには、腸の薬(ポリフル、トリメブチン、イリボー、リンゼス等)と並行して、低用量抗うつ薬(三環系、SSRI)が腸の過敏性を下げる目的で処方されることがあります。また、漢方薬(桂枝加芍薬湯、大建中湯等)もIBSに有効とされています。便秘、下痢、腹痛、腹部膨満感の治療とストレス対処を同時に進めることが最も効果的なアプローチです。

■5. よくあるご質問

Q. IBSはメンタルの問題だから気のせいですか。

A. 全くそうではありません。IBSは腸と脳の神経ネットワークが関与する、れっきとした医学的疾患です。気のせいではなく、体の病気として治療が必要です。

Q. ストレスがなくなればIBSは治りますか。

A. ストレス管理は非常に重要ですが、それだけで全員が完治するわけではありません。食事、薬、生活習慣、心理療法を組み合わせた包括的なアプローチが効果的です。

Q. 子どものIBSはありますか。

A. あります。学校に行く前にお腹が痛くなる、下痢が続くといった症状は、子どものIBSとして認識されています。受験、人間関係のストレスが引き金になることが多いです。

■まとめ

IBSは気のせいではなく、腸と脳が密接につながっていることで起きる体の病気です。ストレス管理と体の治療を同時に進めることが、症状改善への近道になります。

ストレスでお腹が壊れる、通勤や試験前にトイレが心配といったIBS症状は、集中力の低下をきたし、仕事や学業など生活の質に大きく影響します。しかし、IBSは適切な治療で改善できます。当院では、消化器病専門医の見地から、IBSに対する多数の診療実績があり、小学生から成人まで幅広い年齢層の患者様が来院されています。

便秘、下痢、腹痛、腹部膨満感など、おなかの症状がある方は、病態を可視化し、安心していただけるように努めていますので、遠慮なく当院までご相談ください。

医療法人社団好也会 さいとう内科クリニック
医療法人社団好也会 さいとう内科クリニック 外観
院長
斉藤 雅也
診療内容
内科・消化器内科
住所
〒651-2412
兵庫県神戸市西区竜が岡1-15-3(駐車場18台あり)
(旧:森岡内科医院)
電話
078-967-0019
携帯
080-7097-5109
電車
JR山陽本線「魚住駅」から車で約9分
JR山陽本線「大久保駅」から神姫バス天郷停留所(約11分)下車、徒歩5分
第二神明道路大久保インターから約1分
駐車場
駐車場18台完備!
アクセス
当院は神戸市西区と明石市の境界付近に位置しており、明石市からも徒歩圏内です。実際に、明石市方面からも多くの患者様(肝臓病・一般内科)にご来院いただいております。駐車場も完備しておりますので、お車での通院も便利です。風邪や生活習慣病など、かかりつけ医としてお気軽にご利用ください。