• 9月 16, 2026

インフルエンザワクチンはいつまで効果が持続するの?|接種の最適なタイミングと2026年異例の早期流行への対策

【お知らせ】
さいとう内科クリニック(神戸市西区)では、2026年9月15日より今シーズンのインフルエンザワクチン接種を開始しております。なお、65歳以上の方で自治体の医療費助成(定期接種)をご利用になる場合は、10月1日より助成が適用されます。助成をお使いになる方は10月1日以降のご来院をおすすめいたします

こんにちは。

神戸市西区のさいとう内科クリニック院長の斉藤雅也です。

「インフルエンザの予防接種、いつ受けるのが一番いいですか?」

毎年この時期になると、外来で非常に多くの患者様からいただくご質問です。

「早すぎると流行のピークに効果が切れてしまうのでは?」

「かといって遅すぎると、流行に間に合わないのでは?」

このように悩まれるお気持ちはとてもよく分かります。

結論から申し上げますと、今シーズン(2026/27シーズン)に関しては、9月・10月という早いタイミングでの接種を強くおすすめしています。

その理由について、現在の流行状況と、ワクチンの「効果の立ち上がり」および「持続期間」の仕組みから詳しく解説いたします。

■ 1. 2026年は流行の立ち上がりが異例の早さ

まず押さえておきたいのが、2026/27シーズンの流行が例年よりかなり早く始まっているという事実です。

全国の定点当たり報告数は、2026年第34週(8月17〜23日)の時点で1.11となり、流行開始の目安である1.00を超えました。8月中の流行入りは、感染症法が施行された1999年以降では2009年に次いで過去2番目の早さです。前シーズン(9月下旬の流行入り)と比べても1か月以上早い計算になります。

関西圏でも、大阪府などが9月上旬のデータで流行期入りを発表しています。

つまり、「12月になって寒くなってから考えればいい」というこれまでの感覚は、今シーズンには当てはまりません。本格的な冬の到来を待たず、早めに免疫をつけておくことの価値が、例年以上に高いシーズンとなっています。

■ 2. ワクチンの効果を時間の流れで見る

インフルエンザワクチンの効き方は、「打ったその日から守られる」わけでも、「一度効いたらシーズン中ずっと同じ強さ」でもありません。

体の中で免疫がどのように作られ、持続していくのかを整理すると、以下のようになります。

・接種後〜2週間(最大14日間):まだ十分な効果が出ていない「立ち上がり期」
・接種後1か月頃:効果のピークを迎える(1回接種の場合)
・接種後5〜6か月:十分な有効性が保たれる(発症予防効果でおよそ54〜67%)
・2回接種した場合:初回から2〜3か月後がピークとなり、有効性は77〜78%まで上昇する

このように、免疫ができるまでに約2週間かかり、1か月後にピークを迎え、そこから数か月かけて緩やかに低下していくというイメージです。

効果が立ち上がるまで:最初の2週間は「不安定な期間」

ワクチンは、体の中に抗原を入れて免疫の記憶を作ってもらう仕組みです。体が抗体を作り上げるまでにかかる時間が、およそ2週間です。

この2週間は、いわば免疫の「工事中」の状態です。接種したという安心感はあっても、実際の防御力はまだ十分ではありません。接種直後にインフルエンザにかかってしまい「ワクチンが効かなかった」とおっしゃる方がいますが、多くはこの立ち上がり期間中の感染です。

すでに流行が始まっている今シーズンは、この2週間のタイムラグが特に重要です。流行が本格化してから慌てて接種するのでは、守られるまでの2週間が無防備な期間になってしまいます。

ピークは1か月後、そこから緩やかに低下

抗体の量は接種後に増え続け、1か月後あたりで最も高くなります。

その後は少しずつ減っていきます。研究によって幅がありますが、インフルエンザA型では1か月あたり約7%ずつ有効性が低下するという報告があります(11%前後とするデータもあり、ウイルスの型やご年齢によっても変わります)。

ただし、減っていくとはいえゼロになるわけではありません。5〜6か月程度は実用的な効果がしっかり維持される、というのが医学的なコンセンサスです。

③ 2回接種するとどうなるか

1か月後に2回目を接種すると、免疫の反応はもう一段階強くなります。

  • ピークが初回接種から2〜3か月後まで延びる
  • 有効性が77〜78%まで上昇する(1回接種の54〜67%と比べても明らかに高い数値です)

日本では生後6か月〜13歳未満のお子さんは2回接種が標準とされています。13歳以上は原則1回接種ですが、受験生の方、ご高齢の方、あるいは基礎疾患をお持ちの方など、より確実な予防をご希望の場合には2回接種を選択することも可能です。

■ 3. よくあるご質問(Q&A)

Q. 9月に打つと、流行のピークや年度末に効果が切れてしまいませんか?

A. いちばん多いご心配ですが、実臨床上、大きな問題にはならないと考えています。

9月中旬に接種した場合、5〜6か月という持続期間はちょうど翌年2〜3月をしっかりカバーします。確かに抗体価は緩やかに下がっていきますが、それは「守られなくなる」という意味ではありません。来年3月の時点でも、インフルエンザの感染予防効果は維持されると考えてよいというのが実臨床からみた答えです。

一方で、流行がすでに始まっている今、接種を後ろ倒しにして無防備な期間を作ってしまうリスクのほうがはるかに現実的です。「後半の効果がわずかに落ちること」よりも、「前半に守られていないこと」のほうが大きな問題になります。

Q. 65歳以上ですが、助成を待って10月に打つべきですか?

A. 助成をご利用になるなら10月1日以降が経済的です。

10月上旬の接種でも十分に早いタイミングですので、数週間待つことによる不利益はほとんどありません。ただし、10月は予約が大変混み合いますので、お早めにご連絡・ご予約いただくことをおすすめします。

Q. 打ったのにかかりました。意味がなかったのでは?

A. 有効性は54〜67%程度であり、100%ではありません。

しかし、ワクチンの本来の最も重要な役割は、感染を完全に防ぐこと以上に「重症化を防ぐこと」にあります。肺炎や入院、脳症といった深刻な合併症に至るリスクを下げるという点で、万が一かかってしまった場合にも確かな意味があります。

Q. 肝臓病などの持病があるのですが受けられますか?

A. 慢性肝疾患をはじめとする持病をお持ちの方は、インフルエンザにかかると重症化しやすいため、むしろ優先して接種していただきたい対象です。

治療中のお薬との兼ね合いも含めご心配な方は、診察時にお答えいたしますので、遠慮なくご相談ください。

■ 4. まとめ

接種後の効果の推移をまとめると、以下の通りです。

時期ワクチンの状態と効果
接種〜2週間効果が不安定(体内で抗体を作っている途中のため、まだ守られていない)
1か月後ピーク(1回接種の場合)
2〜3か月後ピーク(2回接種の場合・有効性77〜78%)
5〜6か月十分な有効性を維持(発症予防効果54〜67%)

インフルエンザワクチンは「魔法の盾」ではありませんが、体内で免疫ができる仕組みとタイミングを知って活用すれば、流行期をしっかり乗り切るための確かな防壁となります。

今シーズンは流行の立ち上がりが異例に早く、迷っている時間のほうが惜しい状況です。

当院では2026年9月15日より接種を開始しております。

予約方法ですが、当院窓口であらかじめ予約帳にご記入いただくか、予約がなくても診療時間内にご来院の上、受付窓口にお声がけいただけましたら、その後問診表にサインしていただいたのち、インフルエンザワクチンを接種できます。

当院かかりつけの患者様は、診察時にインフルエンザワクチンを接種することもできます。

助成をお使いになる方は、接種日当日に必要書類を必ず持参してください。

患者様のご都合に合わせて接種できる体制を整えておりますので、お気軽に当院までお越しください。

医療法人社団好也会 さいとう内科クリニック
医療法人社団好也会 さいとう内科クリニック 外観
院長
斉藤 雅也
診療内容
内科・消化器内科
住所
〒651-2412
兵庫県神戸市西区竜が岡1-15-3(駐車場18台あり)
(旧:森岡内科医院)
電話
078-967-0019
携帯
080-7097-5109
電車
JR山陽本線「魚住駅」から車で約9分
JR山陽本線「大久保駅」から神姫バス天郷停留所(約11分)下車、徒歩5分
第二神明道路大久保インターから約1分
駐車場
駐車場18台完備!
アクセス
当院は神戸市西区と明石市の境界付近に位置しており、明石市からも徒歩圏内です。実際に、明石市方面からも多くの患者様(肝臓病・一般内科)にご来院いただいております。駐車場も完備しておりますので、お車での通院も便利です。風邪や生活習慣病など、かかりつけ医としてお気軽にご利用ください。