• 9月 20, 2026

過敏性腸症候群(IBS)の薬はどれを選ぶ?タイプ別に見るイリボー・リンゼス・ポリフル・トリメブチンの使い分けを消化器病専門医が解説

こんにちは。

神戸市西区のさいとう内科クリニック院長の斉藤雅也です。

お腹が痛くなったり下痢になったりを繰り返すけれど、検査では異常がない。そんな経験はありませんか。それは過敏性腸症候群(IBS)かもしれません。

IBSの治療薬は下痢型、便秘型、混合型というタイプによって選び方が大きく変わります。今回は消化器病専門医の視点から、タイプ別に処方される代表的な薬の違いと、処方のタイミングをわかりやすく解説します。

■1. 過敏性腸症候群(IBS)とは

過敏性腸症候群は、腸に炎症や潰瘍などの器質的な病変がないにもかかわらず、腹痛、下痢、便秘、腹部膨満感といった症状が繰り返し起きる機能性腸疾患です。日本消化器学会のガイドラインによれば、日本人の約10~20%がIBSの症状を抱えていると推定されています。原因はストレス、腸の過敏性、腸内細菌バランスの乱れなど複合的なものです。

IBSはタイプ別に下痢型(IBS-D)、便秘型(IBS-C)、混合型(IBS-M)に分類され、タイプによって最適な薬が異なります。

■2. 下痢型IBSの治療 イリボ(ラモセトロン)

下痢型IBSに対しては、イリボー(ラモセトロン)がよく処方されます。イリボーはセロトニン3受容体拮抗薬という種類の薬で、腸の過剰な運動と内臓知覚を抑制します。下痢型IBSで効果が高く、特に腹痛を伴う強い下痢に対して有効です。男性を対象とした試験データが主体だったため、日本では当初男性にのみ適応がありましたが、現在は女性にも使用できます。副作用として便秘が出ることがあるため、定期的な診察でモニタリングが必要です。

■3. 便秘型IBSの治療 リンゼス(リナクロチド)

便秘型IBSに対しては、リンゼス(リナクロチド)が代表的な治療薬です。リンゼスはグアニル酸シクラーゼC受容体作動薬という種類の薬で、腸管の上皮細胞に働きかけて水分の分泌を促し、便を柔らかくして排便を促します。便秘の改善だけでなく、腹痛や腹部膨満感といったIBSに伴う症状も軽減する効果が報告されています。通常は食前に服用し、副作用として下痢が出ることがあるため、症状に応じて医師が用量を調整します。

■4. 混合型IBSの治療 ポリフルとトリメブチン

混合型IBSに対しては、ポリフルとトリメブチンを組み合わせて処方することがあります。

ポリフル(ポリカルボフィルカルシウム)は便の水分調整薬と呼ばれる整腸剤の一種です。腸内の水分量を調整する働きがあり、下痢のときは水分を吸収して便を固め、便秘のときは保水して便を柔らかくします。作用の方向が症状に応じて変わるため、下痢と便秘を繰り返す混合型IBSに適した薬です。

トリメブチン(セレキノン)は消化管運動調律薬と呼ばれる薬で、腸の運動が過剰なときは抑え、低下しているときは促進するという、双方向に働く特徴があります。内臓の知覚過敏を和らげる作用もあるとされ、下痢と便秘のどちらの症状も併せ持つ混合型IBSの治療に用いられます。副作用が少なく、安全性が高いことも特徴です。

■5. 自分のタイプに合ったを選ぶことの大切さ

IBSの薬は、下痢型、便秘型、混合型というタイプによって適した薬が異なります。同じIBSでも、症状の出方が違えば処方される薬も変わるため、自己判断で市販の整腸剤を選ぶよりも、医師の診察でタイプを見極めた上で薬を選ぶことが症状改善への近道です。また、大腸がんや炎症性腸疾患(クローン病、潰瘍性大腸炎)との鑑別も重要なため、必要に応じて大腸内視鏡検査で原因を確認することをおすすめします。

■6. よくあるご質問

Q. IBSは完治しますか。

A. IBSは治すよりもうまく付き合う病気といわれています。薬、食事、ストレス管理を組み合わせることで症状を大幅に改善できます。これらにより症状が落ち着く期間が長くなることも多いです。

Q. イリボとリンゼスを同時に使うことはありますか。

A. 基本的にはタイプに応じてどちらか一方が中心となりますが、症状の変化に合わせて医師が薬を見直したり、他の薬と組み合わせたりすることがあります。自己判断での併用は避け、必ず医師の指示に従ってください。

Q. どのくらいで果が出ますか。

A. 薬の種類によって異なりますが、リンゼスやポリフルは2~4週間程度で効果を実感される方が多いです。イリボーはより早く、1週間程度で下痢の頻度が改善することもあります。

まとめ

IBSの薬にはそれぞれ得意な症状があり、下痢型にはイリボー、便秘型にはリンゼス、混合型にはポリフルとトリメブチンというように、タイプによって最適な組み合わせが変わります。

当院では、消化器病専門医の見地から、IBSに対する多数の診療実績があり、小学生から成人まで幅広い年齢層の患者様が来院されています。そして、あなたのIBSタイプに合った薬を処方しています。

便秘、下痢、腹痛、腹部膨満感など、おなかの症状がある方は、病態を可視化し、安心していただけるように努めていますので、遠慮なく当院までご相談ください。神戸市西区、明石市魚住、大久保エリアからも通いやすい立地です。

医療法人社団好也会 さいとう内科クリニック
医療法人社団好也会 さいとう内科クリニック 外観
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斉藤 雅也
診療内容
内科・消化器内科
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当院は神戸市西区と明石市の境界付近に位置しており、明石市からも徒歩圏内です。実際に、明石市方面からも多くの患者様(肝臓病・一般内科)にご来院いただいております。駐車場も完備しておりますので、お車での通院も便利です。風邪や生活習慣病など、かかりつけ医としてお気軽にご利用ください。