- 8月 31, 2026
腸内フローラを整えて便通改善 — 善玉菌・悪玉菌・日和見菌のバランスと食事・生活習慣の整え方

こんにちは。
神戸市西区のさいとう内科クリニック院長の斉藤雅也です。
「腸内フローラ」という言葉を耳にする機会が増えました。私たちの腸には約100兆個・1000種類以上の細菌が生息しており、その集合体を腸内フローラ(腸内細菌叢)と呼びます。腸内フローラのバランスが崩れると、便通異常だけでなく、免疫力・メンタルヘルスにも影響することが近年の研究で明らかになっています。今回は、消化器病専門医の視点から、腸内フローラと便通の密接な関係について解説します。
■ 腸内フローラの3種類の菌とそれぞれの役割

腸内細菌は大きく3つに分けられます。
・① 善玉菌(有用菌): 乳酸菌・ビフィズス菌など。腸内を酸性に保ち、悪玉菌の増殖を抑制します。短鎖脂肪酸(酪酸・プロピオン酸など)を産生し、腸のエネルギー源となります。
・② 悪玉菌(有害菌): ウェルシュ菌・ブドウ球菌など。タンパク質を腐敗させてアンモニア・硫化水素などの有害ガスを産生します。
・③ 日和見菌: 善玉・悪玉どちらが優勢かによって性質が変わる「風見鶏」的な存在です。
理想的なバランスは善玉菌20%:悪玉菌10%:日和見菌70%とされています。便秘や下痢が続く人は多くの場合、このバランスが崩れています。
■ 腸内フローラの乱れが引き起こす便通異常

腸内フローラが乱れると(ディスバイオシスと呼ばれます)、以下の便通異常が起きやすくなります。
・便秘: 善玉菌が作る短鎖脂肪酸が減少すると、腸の蠕動運動が低下します。
・下痢: 悪玉菌や有害菌が増殖すると、腸の炎症が起きて水様便・軟便につながります。
・交互便秘下痢: ・交互便秘下痢:過敏性腸症候群(IBS)では腸内フローラの多様性低下が確認されています。
Liu et al., Gut Microbes, 2022
腸内フローラは食事・ストレス・抗生物質・睡眠など様々な要因で変化します。特に抗生物質の服用後は善玉菌も一気に減少するため、服用後の腸内環境の回復が重要です。
■ 善玉菌を増やすプレバイオティクス食品と食べ方

プレバイオティクスとは、善玉菌のエサとなる食物繊維・オリゴ糖のことです。
・水溶性食物繊維が豊富なもの: オートミール・ごぼう・アボカド・えんどう豆・玉ねぎ
・オリゴ糖が豊富なもの: バナナ・はちみつ・ごぼう・大豆・玉ねぎ
食べ方のポイントは、1日20〜25gの食物繊維を摂ることです。急激に増やすとガスが増えて腹部膨満感が出ることがあるため、1週間かけて少しずつ増量することをお勧めします。多様な植物性食品を食べることが腸内フローラの多様性を高め、目標は「週に30種類以上の植物性食品」です。
■ 腸内フローラを育てる発酵食品と効果的な活用法

発酵食品(プロバイオティクス)は腸内に生きた善玉菌を届けます。
・ヨーグルト: ビフィズス菌・乳酸菌
・納豆: 納豆菌・ビフィズス菌の増殖を促す
・キムチ・ぬか漬け: 乳酸菌
・味噌・醤油: 麹菌・乳酸菌
発酵食品を最大限活用するコツは、毎日継続して食べることです。週1回食べても腸内での定着は難しく、毎日少量ずつ摂取することが重要です。また、プロバイオティクス(発酵食品)とプレバイオティクス(食物繊維)を同時に摂る「シンバイオティクス」がより効果的とされています。例えば、オートミール+ヨーグルトの組み合わせは非常に理にかなっています。
■ 腸内フローラを乱す4つのNG習慣

腸内フローラを悪化させる主な習慣は以下の通りです。
・① 抗生物質の乱用: 必要ないのに抗生物質を飲むと、善玉菌も一緒に死滅します。
・② 慢性的なストレス: コルチゾール(ストレスホルモン)が腸のバリア機能を弱め、悪玉菌が増殖しやすい環境を作ります。
・③ 睡眠不足: 腸内フローラは24時間リズムに従って活動します。睡眠が乱れると腸内時計も乱れます。
・④ 超加工食品・砂糖の過剰摂取: 悪玉菌や有害菌のエサになります。
これらを意識して避けながら、腸に優しい生活を心がけましょう。
■ よくあるご質問

Q: プロバイオティクスのサプリを飲んでも効果がないのはなぜですか?
A: 市販のサプリの中には、腸に届く前に胃酸で死滅してしまう菌株もあります。また、プレバイオティクス(善玉菌のエサとなる食物繊維)が不足していると、届いた菌が定着できません。まずは食事から食物繊維を増やし、発酵食品を毎日摂ることを優先してください。
Q: ヨーグルトは毎日食べていますが、便通が改善しません。何が問題ですか?
A: ヨーグルトだけでは食物繊維(プレバイオティクス)が不足しています。ヨーグルトにバナナ・オーツ麦・はちみつをトッピングすることでシンバイオティクスの効果が期待できます。それでも改善しない場合は、大腸の機能異常・甲状腺疾患・過敏性腸症候群など別の原因が隠れている可能性があります。消化器内科で一度検査することをお勧めします。
Q: 抗生物質を飲んだ後に下痢になりました。どうすれば腸が回復しますか?
A: 抗生物質服用後の下痢は、善玉菌が減少して腸内フローラが乱れることで起きます。整腸剤(ミヤBM・ビオフェルミンなど)とヨーグルト・納豆などの発酵食品を積極的に摂ることで、腸内環境の回復を助けられます。1〜2ヶ月で改善することが多いですが、3ヶ月以上続く場合は消化器内科への受診をお勧めします。
■ まずは、さいとう内科クリニックにご相談ください

さいとう内科クリニックでは、腸内環境の乱れによる便通異常(便秘・下痢・過敏性腸症候群)に対し、腹部エコーや胃カメラ検査などで原因を確認した上で、食事指導・薬物療法を含む包括的な治療を提供しています。大腸カメラ等の精密検査が必要となる場合は分院のたなか内科クリニックと緊密に連携して対応いたしますので、神戸市西区・明石市近郊の方はお気軽にご相談ください。
- 院長
- 斉藤 雅也
- 診療内容
- 内科・消化器内科
- 住所
- 〒651-2412
兵庫県神戸市西区竜が岡1-15-3(駐車場18台あり)
(旧:森岡内科医院) - 電話
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- 当院は神戸市西区と明石市の境界付近に位置しており、明石市からも徒歩圏内です。実際に、明石市方面からも多くの患者様(肝臓病・一般内科)にご来院いただいております。駐車場も完備しておりますので、お車での通院も便利です。風邪や生活習慣病など、かかりつけ医としてお気軽にご利用ください。
